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NRBQ - At Yankee Stadium

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欧米を中心にした無神論者の増加に歯止めがからないという記事を読んで、ふとぼんやり思ったのが、既存の宗教から離れた者が新たに帰依するのは環境原理主義なのではないか、ということ。さしずめ、グレタ・トゥンベリは新たな教祖だろう。

日々自然のパワハラに翻弄される農夫にしてみれば、人間ごときが地球を守るだなんて、なんて不遜な!と思ってしまうのが正直なところ。人間がどうこうしたところで、自然をコントロールできるとは思えないし、それが可能だとするのは人間の驕りとしか言いようがない。

そもそも、「地球にやさしい」とされるエネルギーを発生させる施設は、少なくとも僕の身近な自然にはやさしくない。山肌を削り設置されるソーラーパネルや風力発電設備のどこが「地球にやさしい」のか。グレタ・トゥンベリは、我々農夫にとっては大事な自然すらも大義の前では小さな犠牲だというのだろうか。

水素エネルギーはじめ、それらエネルギー効率に関する議論も、ほとんどが非科学的。EVとガソリン車のライフサイクルコストの議論における環境原理主義者の言説は、宗教書でも読んでいるかのような気になってくる。ほとんどカルトと言っていい。しかも、彼らの主張は彼らが最も忌み嫌うはずの全体主義的ですらある。

小泉孝太郎がCMで「SDGsを知っていますか?」と言ったとき、我々はみな、なんだか胡散臭いなと思ったはずで、その直感はあながち間違いではないのだろう。近隣のおっさんたちは、SDGsのことを胡散臭い儲け話の類だと思っているはず。その理解もまた、あながち間違いではないだろうし、制作サイドしても、小泉家の人間を起用したという点において、そういうメッセージを込めていたのかもしれない。

話がだいぶそれたが、NRBQの新作を聴きながら改めて思ったのは、彼らの1978年の作品『At Yankee Stadium』の素晴らしさだ。“Get Rhythm”など、彼らの十八番とも言えるカバーソングの数々もさることながら、“Green Lights”、“Just Ain't Fair”、“Yes, Yes, Yes”など革新的な楽曲や、“It Comes To Me Naturally”や“I Want You Bad”、“I Love Her, She Loves Me”などなど、品格漂うクラシックな楽曲などなど、優れたオリジナルがこれでもかと詰め込まれている。しかも、それらすべてがこの1枚に収められているのだ。これぞ名盤だ。しかも、フィナーレを飾るのは“Ridin' In My Car”である。アートワークも含め完璧だ。

しかも、大した消費電力をかけることなく楽しめる点もエコだ。塩化ビニールがどうこう言われたら返す言葉もないが、名盤なので海に捨てたりしないから大丈夫。無人島にも持っていくし。

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