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店主のおすすめ#1「Scene Investigators」

特に深夜ではないけれど、深夜の海からこんばんは。
遅い時間帯にゲームプレイ実況を配信している深海茶房の店主、蔵木深海です。いつも居候の方がたくさん活動してるけど、店主です。はい。

色んな事情が重なって、最近あんまり配信ができていないので……せめて好きなものを伝えたいな!
って思って、気に入ったゲームの記事を書く事にしました。
ということで記念すべき第1回はこちら!
Steamで販売中の推理ゲーム「Scene Investigators」です!

とっても硬派な推理ゲーム

リリース日:2023年10月24日 / 開発元・パブリッシャー:EQ Studios

推理がメイン要素のゲーム、今までにも結構たくさん発売されてますよね。
証拠品を集めて法廷で戦う「逆転裁判」シリーズが一番有名かな?
逆歳の他にも色んな推理ゲームを遊んできましたが、正直この「Scene Investigators」、今までにない超硬派なタイトルだと思います。

プレイヤーは新任の捜査官。AIのガイダンスに従って、仮想空間に再現されたひとつの事件現場を調査する……という体で、『何が起きたのか』『事件の背景に何があったのか』を推理していく、箱庭型の推理ゲームです。

事件の調査開始時に渡される情報は、こんなそっけない文言だけ。

事件ファイル「失踪」調査前に明かされる状況

……ん? どんな事件かも教えてもらえてない?
そうなんです。
実際に現場を自分の目で確かめるまで、解決するべき事件が「殺人」なのか「強盗」なのか、もっと別の事件なのか……大抵の場合、プレイヤーには明かされません。(誰かが死んだ、みたいなざっくりした出来事を教えてもらえるケースもあります)

このゲームの目的は『事件を正しく理解できたかを確かめるためのテストに正答すること』。
プレイヤーは『テストに正しく解答する』ために、自分の足で現場を歩いて、自分の目で証拠品を見つけ出し、自分の頭で情報を整理しないといけない、ということですね。

そして、上記の写真のケース、事件ファイル「失踪」の現場がこちら。

事件ファイル「失踪」の現場

……はい。
見た感じ、惨劇もなにも起きているように見えない、普通のお家です。
仮想空間で再現されている、とはいっても、調査できるものがこれ見よがしに光っていたり、重要な手がかりが分かりやすくマークされていたり、ということはありません。あといくつ調べれば、もう調べるものはありませんよ、みたいな優しいシステムも一切ありません。とっても心折設計。

一応、詳しく調べられたり、内容を読めるものには、画面中央のカーソルを合わせるとボタンマークがポップしてくれます。でも、何が詳しく調査できる証拠品なのかは、自分で見つけ出さないといけない。
プレイヤーはこの家を自分で見て回って、事件にまつわる証拠品を見つけ、推理を進めていくことになるわけです。

演繹推理の面白さ

プレイの快適さとは真逆を行くシステム、一体何が面白いの……?
と思われた方、もう少しだけお付き合いをっ!

先に書いた通り、証拠品の場所、総数、共にプレイヤーは手探りのままで調査を進めることになります。
そして、仮に調べられるものを全て調べ、読めるもの全てに目を通したとしても……そのままでは、真相に辿り着けません

実はこのゲーム、いくつかの証拠品が意図的に現場に存在しません。
実際の現場調査ではなく、仮装空間での再現なのは、あくまでもこれがテストであり、プレイヤー=捜査官の腕を試すため。あからさまな証拠品や、あってもおかしくない物証が、意図的に抹消されているのです。

証拠は全て事実を表すけれど、証拠だけでは真相に辿り着けない。
つまり。
証拠と証拠の間を繋ぐ「出来事」を、プレイヤーが仮想し、現場に点在する事実を繋ぎ合わせて、ようやく事件の本質が見えてくるのです。

実際、ストアにも『演繹推理』という単語が出てきます。
演繹推理とは、2つの情報を結び付けることで、結論を導き出す推理手法、だそうです。知っている情報に新たな情報を付け足すことで、2つの情報から結論に至る、という感じみたいですね。(深海調べ)

例えば……
・Aさんは現在もパートナーと仲のよい既婚者である
ことを事前に知っていた、としましょう。
調査の過程で、お揃いではないマグカップが2つテーブルに出されていて、片割れのマグカップは棚にしまわれていて、2つのカップの底に飲み残しの跡がある、ことが分かった時。
1.Aさんは既婚者である
2.揃いのマグカップの片方しか使われていないが、飲み物は淹れられていた
結論:Aさんはパートナーではない誰かと飲み物を飲んでいた
……みたいな感じですね。たとえがあんまり上手くないですが。

「Scene Investigators」はこんな具合に、その場に存在しない光景や背景を推理し、証拠から導かれる事実に当てはめ、仮定を真実にしていく工程がめちゃくちゃ楽しいのです。気分は正に名探偵。

どうです?
わくわくしませんか?
私はめちゃくちゃわくわくしました。次の日も予定があるのを忘れてAM3:00までプレイしちゃうくらいに。

事件ファイル「失踪」で調査できる部屋のひとつ。大人の寝室かな?

あと一手足りない、という状況を、仮定と想像で綺麗に補えた時の高揚感は、中々他では味わえませんよ~。

ほんの少し残念な点

ただ、手放しで満点!
というわけにもいかないのが残念なところ。

このゲーム、元は英語表記で、長い文章も含めて全編丁寧に和訳されている……のですが。
時々、誤訳や誤記があるのがとってももったいないんです……。
大元の英語が間違っていたり、翻訳のニュアンスがちょっと違うんじゃないかなあ、という点があったり。
仮定を含む推理を進める上で、この微妙な間違いが推理のノイズになることが何度かあって、その度に「あああ~……」と崩れ落ちました。
いくらテストとはいえ、意図的に間違った証拠品を紛れ込ませている、という表記はなかったので、純粋に記入のミスだと思うんですよね。
開発元から何度かパッチアップデートもあったので、その内全部直ると思いたいなあ。

まとめ!

「足りない情報を想像で補う」部分に、プレイヤーの合う合わないが大きく出てくるゲームではあると思います。
想像で補う、の部分を不親切だと捉えてしまうと、プレイは厳しいかも。
でも、全体的な「硬派な推理ゲーム」という雰囲気と、徹底した現場の作り込みは、他のタイトルには見られない強力な個性でした。

探偵のように、または刑事のように現場を歩いてみたかった、という方や、考察や推理が大好き! という方へ。
私は全力でお勧めします!
無料Demo版も公開されているので、PC環境のある方はぜひぜひっ!

「Scene Investigators」ストアページ


タイトルに使った数独ゲーム?も「失踪」の現場に出てきます。これって解けるのかな?



                       (深海茶房・蔵木深海)

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