『限りある時間の使い方』を読んで考え直したこと
さいきんは流行りの自己啓発本には絶対に乗らないスタンスで読書活動を進めていた自分ですが、弟子であるJ2昇格請負人に紹介されて読んだオリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』が、ここ数年の仕事やプライベートにおけるすべての自分にホームランな一冊でした。
感じたことを書き綴る、そのハードルを下げることでnoteの更新頻度を上げていきたいと思った次第。まずは振り返りとして、2022年は『映画を早送りで観る人たち』や『ファスト教養』といった新書を読みながら、Z世代のエンタメコンテンツとの向き合い方や、若いビジネスマンの教養のキャッチアップの方法に対して、アンチテーゼを唱えていたつもりだったのですが、「お前もそうやない?」と問われた時に完全にNOとは言えない状態かと思います。
その要因を考え直すと、「"これからくる"コンテンツや知識を先取りしながら、仕事もプライベートも充実しているという”あるべき自分”に縛られていた」という仮説が浮かび上がります。イルビゾンテの大流行前夜、高2の修学旅行の自由行動中に1人抜け出して財布を買いに行ったさえない。AIブーム前夜、ブラジルW杯でのドイツ代表の躍進を見てビッグデータ解析を専門とする情報系の研究室に転換したさえない。直近だとウエストランドのM-1での優勝を見据えて、準々決勝の配信チケットを買って推しまくっていたさえない。また、仕事ではまぁ大企業にてまぁ程よい給料を貰いながら、まぁ雰囲気のある仕事をやっているなか、プライベートでは幼少中高大と多様なコミュニティの友達と仲が良く、かつパートナーと居を共にしているさえない。オフの日もエンジニアリングの勉強だけでなく、スポーツアナリティクスの協会でも動きつつ、社内外のコミュニティでのプレゼンテーションのためにビジネスの潮流であったりファイナンスも学ぶさえない。自分が人生でなすべき目標である「カッコいいと思われるおっさんになる」へは近づいているんだろうけれど、果たしてこのままでいいのだろうか。
そんな、誰からも要請されているわけでない"あるべき自分"を演じていた就職後の数年間を思い返しながら、そんなに無理をしているという実感はないものの、長い時間を共にしたパートナーとの別れをキッカケに、働く環境を変えることや今後の人生を共にする人を探すことに奔走した年末でした。ただ、立ち止まって考えることの重要性もあわせて理解しているので、熊本でふと立ち寄った本屋さんにて弟子が紹介していたなという記憶を頼りに購入し、読んだ本が前述の『限りある時間の使い方』になります。
今回は本の最後のほうに記載のある5つの質問に答えるのみで、本noteは締めつつ2023年は少しだけ心に置きながら自分の人生を人と共に生きたいと思います。
質問1. 生活や仕事のなかで、ちょっとした不快に耐えるのがいやで、楽な方に逃げている部分はないか?
かなり、あり。生活においては、イヤだと思った些細なことを口に出さずに自分の中で解消したフリをすること。仕事においては、MTG中に発言を控えることで自分の責任範囲を制限して、プロジェクト全体の推進への貢献度をコントロール可能なものにすること。
質問2. 達成不可能なほど高い基準で、自分の生産性やパフォーマンスを判断していないか?
ここは難しいところ。無駄にスポーツでいい景色を見てきた経験から、自分の想像力を超えた結果を残すためには達成不可能なほどの高い水準をギリギリで置くことの価値も理解してしまっている。ただ、それが達成できなかったからといって、自分の生産性やパフォーマンスをネガティブに判断していないという意味ではNO。
質問3. ありのままの自分ではなく、「あるべき自分」に縛られているのは、どんな部分だろうか?
前述の通り。ただ、どこまでが”ありのまま”でどれが”あるべき”なのかは整理できていない。お笑いはそこまで深掘りしないで良い気もするし、仕事においては不要な方向へ魂を削っている気がするし、プライベートにおいては頑張りすぎているのかもしれない。部分で言うと、仕事とプライベートなのかもしれない。できる自分であるべきという勝手な妄想が。
質問4. まだ自信がないからと、尻込みしている分野は何か?
日本を明るくする、もしくは無駄をなくすための事業を作る、顧客へより良い体験を生み出すという大目的を達成するために、良い方向に魂を削り責任を持ってエンジニアリングする。もしくは、その効率化を目的として、多くの人がデータをもって自信を持った意思決定ができるデータ基盤を構築する。最後に、自分の周りの人が想像していなかった世界へ一緒に進めるよう、リードする。
質問5. もしも行動の結果を気にしなくてよかったら、どんなふうに日々を過ごしたいか?
大切な人と多くの時間をともにし、おうちで美味しいご飯を食べ、たまに外食をする。これからの未来を担う人たちとお話をする。
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