さえないが選ぶ2022年ベストブック11

2021年バージョンを書く書く詐欺をしていたベストブックス11を、2022年はちゃんとまとめるばい。「絶対に〜成功させようね〜!!」

■ 技術書

- データ視覚化の人類史

帯のグラフィックコミュニケーションという言葉が良い。単純に読み物として面白かった。思いやオブジェクトを、血の繋がりのない他者が継承していく様は、漫画『チ。』との相関関係も感じる。折れ線グラフ、棒グラフを発明したブレイフェアさんは、執筆した書籍や論説では裕福になれず、家賃の足しにもならなかったとのこと。ロンドンに訪れた際は、感謝の意も込めてレイズンブロウ・ホテルが占有する埋葬地へ行きたいところ。最後の章はナラティブとグラフィックコミュニケーションの関係をいくつかのケースで説明していたのだが、統計学者からは賛否が分かれそうな内容だったのかもしれない。個人的には極端に恣意的なグラフでなければ、そこから着想を得るのはOKだと考えている。

- 計量経済学

日本のデータサイエンティストとしてTwitterでは最も有名だと思うTJO氏の紹介で読んだこの本は、コンパクトでありながら事例もついており非常に丁寧な構成で、「こんな分析をするケースがあるといいな」という感想。分析は丁寧でないとね。雑なことばかりやっている今までの自分にサヨナラぽんぽん!

- ネットワークはなぜつながるのか

ネットワークの教科書的な一冊が欲しくて購入。多分、サイバーエージェントの新卒エンジニアが読んでよかった本!に入っていたのがキッカケ。2022年はk8sまわりも業務で触れることがあったので、いいおさらいになった。

- 若者はなぜヤクザになったのか

図書館で目についたこの本が、フィールドリサーチの教科書的にも良かった。カテゴリは技術書ではないだろうが、興味関心のある事柄に対しての要因を分析する上でエビデンスとなる情報を要約するためには、定量と定性のデータのバランスというか取得理由を明確にすることが大切なんだなという学びになった。

■ 小説

- 三体X

三体オタクの方の二次創作が出版に至った本作のラストが天才的すぎて、膝から崩れ落ちた。横になって読んでるから、物理的には崩れ落ちてはないんだけれど。いや〜また三体読みたくなったて〜

「三体人の最大の弱点のひとつが、想像力の欠如だ」

『三体X』

- 餃子の王将社長射殺事件

思った以上に闇が複雑すぎて、人の死を描いた本を面白いとは言いづらいけれど、面白すぎた。そして本書で挙げられていた中国人ヒットマンとは違う、犯人の逮捕が直近で。原因は究明されるだろうか。

■ その他

- 中野ブロードウェイ物語

中野ちかくに引っ越してきたので。上は屋上プール付き分譲マンションであること、「まんだらけ」は後発の店舗だったことが新発見。そして、最後の「ブロードウェイの未来」について各々が語るところはステキが詰まっていた。大事に通いたくなった。

「ブロードウェイは矛盾しているから面白いんです。景気が良くなって真面目な人たちが増えてくると、"古いものを潰して新しいものを作ろう"としがちなんです。秋葉原のように」

 『中野ブロードウェイ物語』より

- 戦略質問

世には経営戦略を策定する上で参考になる本はいくつかあるけれど、その中でも異質な一冊。戦略が予定調和に、八方美人にならぬための行動指針が記されている。結局、お前はなにがやりたいん?自分が過度な合理性が好きでないので、感覚にもあっていた。

- 新1分間マネージャー

別の部署のリーダーに教えてもらった『新1分間マネージャー』は、本としては薄いものの本質的な内容がストーリー仕立てで書かれていて、ばり読みやすかった。自分はマネージャーという言葉は好きではないけれど、仮にその立場に立つことがあったら、この本のエッセンスを常に頭において接したいと思う。自分が自分のリーダーに。

- スター・ウォーズ ジェダイの哲学

スター・フォーズファンでかつ、自己啓発がとても嫌いでない限り、「恐れ、感情、執着に支配されない生き方」を身につけられる。個人的には、聖書と崇める『どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか』と並ぶ心の一冊。

- 敗北からの芸人論

中身は下記noteにわざわざまとめた本を最後に。#自分なくし の先にあるものとは。


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