あの娘のキスはピリリと魔法の味 ~世界は今、彼女の唇に託された~13
13. 宇宙の手
ゆっくりと下ろす手のひらは、やがて床へと近づいていく。
英斗は何か意味があるのか、と小首をかしげながら窓の外を見て驚いた。何とそこには巨大な手のひらが宇宙から降りてきていたのだ。
はぁ!?
目の前で起こっている、理解不能で滑稽な光景に混乱した英斗は目をゴシゴシとこすってもう一度見直す。
しかし、それは間違いなく手のひらだった。
手のひらのサイズは十キロメートルはあるだろうか? 腕は青空のはるかかなた向こう、ずっとずっと高いところから雲を