あの娘のキスはピリリと魔法の味 ~世界は今、彼女の唇に託された~38
38. 一か八か
なるべく足音を立てないように静かに駆け、洞窟の入り口を目指す。ゴーレムたちは紗雪にご執心でこちらのことは気づいていないようだ。
必死になって駆け込んだ洞窟、そこには巨大な扉が行く手を阻んでいる。まるで水門みたいな巨大な鋼鉄製の自動ドア。当たり前だが、そう簡単には入れてくれないらしい。
「タニア! GO!」
レヴィアは予期していたかのようにタニアに指示を出し、タニアは英斗からピョンと跳びおりる。
なるほどタニアは適任だ。先々のことを考えて行動