あの娘のキスはピリリと魔法の味 ~世界は今、彼女の唇に託された~9
9. プニプニのほっぺ
「どうした? 分かったか?」
レヴィアは振り返り、ニヤッと笑った。
「こ、これは宇宙船ですよね? どうしてこんなところに?」
「いかにもこれは火星移住船【エクソダス】じゃ。遠い昔のな」
レヴィアはちょっと寂しそうにそう言って、遠い目で宇宙船を眺めた。
「火星!?」
英斗はその壮大な計画のスケールに言葉を失う。その昔、こんな山のような宇宙船を作る文明が栄え、そして、何かただならぬ理由があってここに横たわり、今や朽ち果て、自然に還るのを