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エピソード(2):丹田って?

エピソード(2):丹田って?

 

おそらく第二次世界大戦前は、「臍下丹田」という言葉は日常的に使用されていた。

しかし戦後だんだん使われなくなり、現代では一般には余り耳にすることがないのでないか。実際私も浪人時代に坐禅を習って、「丹田」という用語を知った。

丹田とは腹部のことだといえばそれで足りるが、考え始めると判然としない不思議な概念である。呼吸法では腹式呼吸と組みあわせ「丹田呼吸」という訓練もある。

西野流呼吸法でも、限られた部分というより下腹から腰部を漠然ととらえる。

むしろ、足芯呼吸により身体イメージが育ってくれば、身体の至るところが丹田であるという考え方もある。実際そうした身体を感じるようになる。

養分の取り込みによるエネルギー獲得臓器としての消化器官は、動物の身体構造上基盤となる重要な部分であり、それは身体イメージにも反映されていると予想される。

大きな容積を占める胃腸や肝臓など消化器官がなくなったら、我々の身体イメージは成り立たないのではないか?

 

また、東洋と西欧で腹部に関するイメージの差も注目される。丹田に関する概念的に的確な訳語は存在しないが、身体感覚として恐らく”gut(s)”が、ガッツや根性などの意味で近いと思われる。

 

補遺:Active expiration

実は漠然とした腹部イメージは、2018年の“Breathing matters”という総説中の“Active expiration(呼気においても腹筋群に緊張)”という生理現象の解説で、私自身始めて東洋人がいう丹田という概念の背景の生理を知った。体幹筋群としての理解もできる。

これは大切な概念であり、稿を改めて述べることにしたい。

おおよその理解としては

https://kokyurinsho.com/focus/e00068/(要ID/PW登録)

https://www.youtube.com/watch?v=tjAF4-cfa48&t=557s

などを参照。

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