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縛りと自由

訳あって同居している家族から
「お酒は1日3杯まで」
とルールを設けられたお酒大好きな私です。

期間は1ヶ月、6/17までは飲み放題付の宴会であっても、バカスカとおかわりを頼むことができません。


先日友達と飲み会だったので、
自分が置かれている状況を説明して1杯目をそれはそれは慎重に選んだ。

いつもは所謂「とりあえずビール」な私だがそうはいかない、とりあえずで貴重な1/3を消費するわけにいかないのだ。

なんだかメニューが多く感じる、初めて来た店じゃないのに、前からこんなに種類があっただろうか?

いや違う。

私の脳が、
最初の一杯に相応しい酒を選ぼうと、
賢明にメニューを解析しているんだ。

最適解を導きだすべく、
私の背景には黒板とおびただしい量の数式が現れ、気づけば白衣と眼鏡を身にまとい、隣には柴咲コウがいた。

「実に面白い」

決められた時はあまりに窮屈なルールに、こっそり破ってやれと思った。
メガジョッキ3杯頼んでやれと思っていた。

違った。

その時間を豊かなものにするために、
1杯1杯を吟味する時間、めちゃくちゃいいじゃないか。

脊髄反射でハイボールと答えていた時には無かった感覚だった。

頼む料理との相性をみながら、
薄まったり緩くなったりして味が落ちないものを探しながら、私は笑っていた。

楽しい

3杯という決められた制限の中、その3杯を自分にとって後悔のない最高のものにしようと悩み、じっくりと楽しむ私は、その瞬間間違いなく誰よりも自由だった。
選べることの自由を全身で感じていた。


実はこれからの1ヶ月の間に
酒豪と名高い友人たちとの飲み会の予定が続いている。

私の戦いはまだ始まったばかりだ。
だが、悪くない。

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