詩『虹の境目』
雨滴のひと粒に溶ける陽光が
音階を奏でるように引き裂かれていく。
万有引力の番人は巨人の肩に立ち
多様性さえも法則化する。
私達は単純な方程式置き換えられ
脳内で因数分解されていく。
誰かが落とした赫い知恵の実が
欲望の導火線に火を灯す。
曖昧で不安定な精神の領域に
悪魔たちは白昼堂々 迫りくる。
何故 ありのままでは許されない。
際限なく拡がる創造力で
私達は絶えず濤となり風となる。
境目なく横たわる虹色の橋を
私達の心に喩えるのは
あまりに陳腐な試みだった。
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