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連作詩⑤『鹿鳴の宴』

毎朝 見慣れた景色から日に日に消えていく
電子辞書 参考書の束あとは寝台の下に隠した百合漫画。
端末に溜まっていた哲学めいた贈答も塵箱にぽいっして。

雨垂れで塗料が剥げ落ちた骨董店の前で
舐める氷菓 物語の悪戯それに選択洗剤の詰替え用。
端末が鳴いて届いた皮肉めいた独り言も既読スルーして。

虚勢を張って伸ばした角も切り落とす時だ
別離は世の常だから復た巡り逢えたなら。

毎朝 見慣れた景色から日に日に消えていく
電子辞書 参考書の束または寝台の下に隠した百合漫画。
端末に溜まっていた哲学めいた贈答は残しておこうかな。

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