Photo by ima_doco 連作⑥『猋』 3 虎井春&蜂芳弌 2024年6月1日 18:11 諸行無常の茶色い焦土の真中で涎を溢すは骨張った番犬。血の滴る爪痕の溝に落つる種子、油混じりの泥濘に沈む。蜘蛛の巣の如く根を張る株に腰掛け鉄漿黒のように汚濁する西空を眺む。自分勝手な私が本当に大嫌いだ。盛者必衰の黄色い朝陽の真中で泪を零すは目障りな狂犬。血の滴る爪痕の溝に芽吹く花、雨模様の窒素を呑む。燃え広がる言葉の中でそれでも生き残る命を待つ。来る日も、来る日も。 ダウンロード copy #創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 3 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート