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詩『alternative』

ひきわり納豆を掻き混ぜるたび重くなる箸の動き
炊きたての米粒は柔らかく膨らみを湛え茶碗で湯気を立てる。
パソコン端末を起動し牛乳を片手に削除する迷惑メール
深夜帯の酔いどれの誤報くらいは残すのが流儀なのかな。

常識はどこでもオルタナティヴ 奇妙性はいつもトラディショナル
文明開化の音は舌打ち混じりの居眠り会議にも潜む。
良識はつねにピカレスク 悪癖はだれもがオーソドックス
新品の靴下の跡も誰かの名前で誤魔化してしまう。

鉄塔の骨組みをなぞる夕暮れ 田んぼは市松模様だね
連続性のない会話が積み上げてきた時間の怠惰。

ひきわり納豆を掻き混ぜるたび重くなる箸の動き
炊きたての米粒は柔らかく膨らみを湛え茶碗で湯気を立てる。
パソコン端末は充電切れ 牛乳を片手につつなぐ延長コード
深夜帯の酔いどれの誤報はいつでも待ち草臥れている。

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