雑談⑩(創作について)

こんにちは、蜂です。

突然ですが、私は創作という行為は特殊な行為だと思っています。創る、というと何だか無の海原の中に色彩を溢して新たな世界を想像することのように聞こえますが、どちらかというと私にとっての創作は、泥濘の中から蓮の地下茎を引っこ抜くような行為なのだと思います。

無から何かを生み出すなんて物理学上は無理な話です。勿論、仮にこの世に神と呼称できる存在がいるのであれば話は別ですが、今のところ私は基本的に無神論者としての立場を貫いているので、この話は今回はなしにします。

私達の世界には見渡す限りの蓮畑が広がっていて、凛とした姿で咲き誇る華は混沌の泥濘の中で輝く『インスピレーション』なのだと私は思っています。先達の創作物だったり日常に潜む不思議な言葉だったり、いずれにしても内側に『外側のインスピレーション』を溜め込んで、それらが熟成した時に『創作物』が産まれるのだと思っています。要は、自分の創作物は、実は
他者や外界の存在を自分の中で濾過したり抽出したりして表現したものだと最近になってようやく気づき始めた、ということです。

では、その根源となった『創作の始祖』と呼べる人物は誰なのか。今となっては知る由もありませんし名前すら持っていなかったかもしれません。その名もなき詩人たち(あるいは創作者たち)に思いを馳せながら降り積もる拙作を前に、いつか名前も持たぬ詩人になりたいと願う自分がいることにも気づきました。なぜ私たちは創り続けるのか。その意味を見つけるために。

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