「うちの子」概念について話をしよう:ラクキンに感じた可能性
ちょっと前にこれを書いてみたのだけれど、そういえば普通に使っている言葉ではあるが「うちの子」という概念を知っている人はそんなにいないんじゃないかと思ったのと同時に、ラクガキキングダムのリリース延期で触れられていた内容に「うちの子」概念を感じたので、書いてみようと思う。
※前回にも増して変なことしか書いてないので注意
初めに:「うちの子」という概念について
一般的にみて「うちの子」というものは、「家族の一員であり、また自分の庇護下にあるもの」という感じだろう。実子養子、並びにペット。そういった存在を指していることが大半だ。
では、今回のnote内に置ける「うちの子」概念とはなんなのかというと、簡単に言えば「カスタマイズした無個性アバター」「自身で生み出したオリジナルキャラクター」の二通りになる。
要するに、自分で作成し、かつ第三者や公式による性格設定が少ない(or全くない)キャラがこれに当てはまるということだ。
ゲームなどで身近なものだとMMORPGなどで使用されるアバターカスタマイズが挙げられる。
ゲーム「コードヴェイン」で作成したアバター。
自分の性癖が結構入っててお気に入りの子。
これだけの説明だけだと「オリジナルキャラクターもうちの子なの?」と思われる人もいるかもしれないが、それは違う。
無論オリジナルキャラクターというか、一時創作で生み出したキャラクターすべてを「うちの子」と称する人もいるだろうが、オリジナルキャラクターと「うちの子」は≒であって=とはならない。
広義的に見れば「オリジナルキャラクター」はいわゆる「モブおじさん」も該当するが、それを「うちの子」と称する人は少ない(いるかもしれないが)。
なら「オリジナルキャラクター」という概念の中から「うちの子」概念が飛び出てくる要素は、簡単に言えば「愛でる」ことだろう。
アバターをカスタムするタイプの「うちの子」概念だとよりそれがわかりやすいかもしれない。
ゲームにおける無個性アバターは、それこそ台詞は最小限に収まっているものがほとんどだが仕草などが設定されていないわけではない。
放置していれば待機モーションが出るし、他プレイヤーと交流するためのエモーションも数個から数百まで様々な量が用意されていることが常だ。
自分の好みで作成したアバターが繰り広げる様々なモーションに、どこかの柱ではないが「キュン」としたり、「普段こんなことしてそうだな~」とか妄想をし始めて最終的に「かわいい」とか「かっこいい」とか考えながら猫可愛がりし始めたら「うちの子」概念に両足を突っ込んでいる。片足ではないぞ両足だ、なんなら肩まで浸かっているかもしれない。
ある意味最高の「うちの子」概念が体験できるソシャゲ「流転のグリマルシェ」
キャラの演技をする「なりきり」という概念を窺い知ることもできるぞ。
次に:ラクガキキングダムに感じた「うちの子」概念
さて、ふんわりと「うちの子」概念の印象を掴めただろうところで「ラクガキキングダム」について話をしよう。
ラクガキキングダムはかつてソフトとして販売されていた「ラクガキ王国」の流れを組む作品で、自分でキャラの作成、モーションの設定など結構細かい部分まで設定ができる、凝り性の創作好きにはありがたいものだ。
それゆえに「キャラ作りたいけど、絵心がないから……」と二の足を踏んでいた人も多かったが、今作ではアシスト機能を搭載しているとも宣伝していた。
CBTに自分で参加してみた感想だが、アシスト機能は確かにあって、絵心がない自分でも多少はキャラを出力できたが、完璧により近づけるのは難しいなと感じていた。
上記にリンクを貼らせていただいた人が言うには、ラクガキキングダムは
・作成したモデルをVroidHubにインポートし、各種連携サービスで利用できる強み
・VroidStudioだと作成できなかった異形や人外を作成可能
・上記サービスと組み合わせてAR機能での撮影が可能
・blenderなどの本格モデリングツールよりも手軽
等が非常にありがたいとのことだった。
さてそんなラクガキキングダム、本来は2020年冬(1月~3月)にリリース予定だったのだが、執筆当日(2月19日)に公開されたお知らせで2020年夏への延期が発表された。
ソシャゲのリリース延期は多くはないが少なくはない数あるので、そこにおいてはいいだろう。
問題はそのリリース延期の理由である。
まずは以下のPレターに目を通してほしい。
ラクガキシステム回りのブラッシュアップもさることながら、自分の目を引いたのは最後の項目である「アトリエ」機能の充実である。
もともと、作成したラクガキ達を配置して見守れる箱庭機能「アトリエ」は開発されていた。
しかしキャラクターを育成するより愛でたいという声を受けて、更にその機能を充実させようというのがPレターで言及された内容だ。
ラクガキをペット化したいということも書かれている。
この部分を見たときに自分は思った。
「うちの子」概念だ……!と。
元よりラクガキキングダム(ラクガキ王国)は、自由なカスタマイズが可能というところでアバターカスタマイズに通じるものがある。「うちの子」概念を満たせる素養が十二分にあったのだ。
自分が頑張って生み出した理想のキャラ、それがどんな風に動くのか見てみたい。
そう考える「うちの子」概念保持者は多い。いや多分全員がそうだ。
どんなふうに動き、考え、過ごしてきたか。そんな設定をつらつらをメモやノートに書き連ねている人はいるだろう。中二病とか言わない。
ラクガキキングダムではアトリエ内での仕草などで、そういった「普段うちの子がどう過ごしているのか」を実際に見れるというのが「うちの子」概念保持者の心をくすぐったのだ。
その欲求をもっと満たしたい。だからもっと機能を充実させてくれという要望が強かったからこそ、運営もリリース時期を変えて応えることにしたのだろう。(※勝手な推測です)
また1番目の項目であるラクガキシステムのクオリティアップなども、脳内の「うちの子」を完璧に出力するための一助となることは間違いない。
育成中のシナリオのクオリティアップも、もしかすると「うちの子」概念の補強材になる可能性がある。
創作者のこだわりに応えられるように努力を惜しまない「ラクガキキングダム」
「うちの子」概念を公式がどの程度感じているかは推測するしかないが、リリースを楽しみに待ちたいものだ。
CBT内でユーザーが応募したものから公式に採用されたラクガキ達。
それぞれの作者の強いこだわりを感じる。
終わりに:「うちの子」概念は原動力
さてここまでタラタラ書き綴って来たが「うちの子」概念というものは、そういう名称がついているかどうかに関わらず、多くの人が持っていたものだろう。それこそ「夢女」概念と似ている。
一次創作、いわゆるオリジナル作品の作者は数多くの「うちの子」を生み出しているし、作者でなくともアバターカスタムなどで「こんな子を主人公にしたい」と思って作成したプレイヤーの心にも「うちの子」の種は植えられている。
その種子にどんな形であれ「愛でる」という水をそそぐかどうかで、ただのオリジナルキャラクターになるか「うちの子」概念へと育っていくかは分かれるのだ。
「うちの子」が生まれると、そこからはもう設定をどんどん作って枝葉を伸ばし、しっかりと肉付けをして地に足のついたキャラクターへと変わっていく。
最終的には同じように「うちの子」概念を持つ人と交流し「うちの子」同士を交流させるという道もあるだろう。
実際、自分以外が作成した「うちの子」のことを指し示す「よその子」という概念もある。
そうやって「うちの子」概念を育てる可能性を十二分に感じる「ラクガキキングダム」
有名なので既知の人も多いだろうが、興味を持った人がもしいたのなら是非、事前登録をするといいだろう。
「うちの子」沼は深いぞ。
なんていったって自分で需要と供給を行うから永久機関となっている!
ポテトサポートです、イモだけに