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Onibabako // DJ SHIKISAI & DJ Pigeon "Spaghetti Dancer EP"マスタリング裏ばなし。

 6/1発売!DIESEL DISCO CLUB第3弾となる、"Spaghetti Dance EP"の発売にあわせて、マスタリングをお願いさせて頂いた、エンジニア、Onibabakoさんから今回の作品にまつわる、マスタリング裏話をいただきました!

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Oni : ミックスとマスタリングを担当させていただきました。

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 DJ色彩氏とは古い付き合いです。最初に曲を作りはじめたのが8年くらい前で、ほぼ全曲聴いてきました。1年くらい前からペースが急に速くなってきました。コツを掴んだんだと思います。音数も少なくなり何よりも勢いがあります。

 作り始めるとわかるんですけど作曲よりミックスとマスタリングに時間がかかります。色彩氏の場合はミックスもマスタリングも完全にこちらに身を委ねて曲作りだけに集中しているようです。
 ダンスミュージックは勢いが8割だと私は思ってるので任せられるものは他人に任すこの流れは非常に良い事だと思います。

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 DJ Pigeon氏はDJ色彩氏からの紹介です。送られてきたデータをさらっと聴いて(あ、この人何もかもわかってる人だ)と即座にそう思いました。音のチョイスや音のバランスも素晴らしかったのでバランスはあまりいじりませんでした。
 イタロといったら変なバランスだよなとタムの音量を最初大きくしてたのですが、遠慮してタムの音を引っ込めたデータをPigeon氏に聴いてもらったらタムを大きくしてくださいとリクエストがあり、(あ、やっぱり変なバランスって大事なんだな)と改めて思いました。

 DJ色彩氏、DJ Pigeon氏、両氏ともベースがドテドテドテドテのオクターブベース。お預かりしたベースの低域が盛り盛りでしたので下げました。イタロディスコ、イタロハウスの特徴は高域煌びやかだけどその分低音がスカスカ。ここは尊重したいので低域は削りましたがDJ色彩氏の方はあえてそこまで削りませんでした。

 音圧を今風にしてしまうと昔のイタロの曲と繋いだ時に馴染みにくいのであまり圧はかけませんでした。とはいえ昔風にペナペナ過ぎてもなと思いKrystal KlearのNEUTRON DANCEと同じ音圧にしたと思います。

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イタロは変なステレオ感があります。当時のコーラスが手元にないのでRoland Dimension Dを模したUAD-2のStudio D Chorus というコーラスを多用しました(Dimension DはYMOコーラスとも言われてませんでしたっけ)。実際イタロでRoland Dimension Dを使ってたのか定かではないのですがあの当時の雰囲気が十分出ます。

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 リバーブも当時の質感を出したくてUAD-2のAMS RMX16を多用しました。これよりもっとチープなリバーブを使ってたかもしれませんが1980年代の雰囲気といえばこれだと勝手に思ってるのでこれを使いました。

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プロフィール : Onibabako (エンジニア)
 クラブミュージックをメインに、アニメ(Eテレ)のサウンドトラックや、Nintendo switchのゲームのサウンドトラックのマスタリングなども手掛ける。DJ活動や作曲の他、自身のnoteでは、音作りにまつわる様々なテクニックを公開中!
onibabako.amebaownd.com

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https://dieseldiscoclub.bandcamp.com/album/spaghetti-dancer-ep

DJ SHIKISAI/DJ Pigeon - Spaghetti Dancer EP
6/1 発売 : JPY 700.-
1. DJ SHIKISAI - Addio Mia Amata (Original Mix) 5:56
2. DJ Pigeon - Yellow Lipstick (All about Funk) (Original Mix) 8:11

Mix & Mastering : Oni
 DIESEL DISCO CLUBのカタログ第3番をかざるEPはDJ SHIKISAIとDJ PIGEONによる、異色タッグ擬似イタロEP! 2人のこだわりが詰まった、極濃ディスコをお楽しみください!

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