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[アンティークジュエリー]ダイヤモンドのカットのお話

アンティークジュエリーのダイヤモンドの奥ゆかしい輝きに魅了される人も多いと思います。アンティークのダイヤモンドは、蝋燭の下で上品に輝くようなローズカットダイヤモンドのようなカットが多く、ダイヤモンドでダイヤモンドをカットする職人技で仕上げられています。

1800年代後半に南アフリカで巨大なダイヤモンド鉱床が発見されるまで、ダイヤモンドはとても貴重でした。石の裏側に銀箔や黒い箔、金属の破片をひいた「フォイルバック」によって、ダイヤモンドをより白く見せたり、黒く見せるクローズドセッティングのダイヤモンドジュエリーが主流でした。そんなアンティークダイヤモンドのカットの簡単な紹介をしたいと思います。

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ダイヤモンドの研磨技術は15世紀半ばにテーブルカットが生まれました。ダイヤモンドの原石の八面体を半分にカットして研磨した最古のダイヤモンドカットと言われています。

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こちらのリングは1750年頃と思われるものですが、貴重なテーブルカットのクローズドセッティングのダイヤモンドリングです。

16世紀にはいるとローズカットが生まれました。17世紀頃からテーブル・カットは次第に使われなくなり、ローズカットが増えるようになりました。

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初期のローズカットは、原石の形に合わせて研磨されていましたが、段々と研磨面が多い複雑なカットへと変わっていきました。ローズカットは平らな底面を持ち、中央に向かって高さをつけながら三角形の面が組み合わされて研磨され、形がバラのつぼみに似ていることからこの名前がつけられました。

18世期になると、ダイヤモンドジュエリーはより白く見せるために表面にシルバーを使って、裏は汚れがつかないようにゴールドを貼るようになりました。

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17世紀末になり、ベネチアの研磨職人であるペルッツィによって58の研磨面を持つカット、オールド・マイン・カットが開発され、その後、外形が円の形をしたオールド・ヨーロピアン・カットが登場します。

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1919年、マルセル・トルコフスキーによりダイヤモンドの光学的特性に基づいたブリリアント・カットのプロポーションが発表されました。 

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尚、ダイヤモンドのグレーディングに使われる4C=色(カラー color)、透明度(クラリティ clarity)、 重さ(カラット carat)、研磨(カット cut)はブリリアントカットに対応した評価なので、ローズカットダイヤモンドなどには使えません。

そして、台座からダイヤモンドをとりはずさないとわからないため アンティークやヴィンテージでは正確なカラット数(=重さ)もはかることが難しいのです。尚、カットによりますが、目視によるサイズからある程度の予測はできるようです。

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次回はローズカットダイヤモンドについて、書きたいと思います。

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