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「横断歩道の恋?」をデコンストラクション


4月のデコン会のテーマはSpikes asia2024。アジア地域最大級の広告コミュニケーションフェスティバルSpikes asia2024の受賞作(および関連作品)をデコンします。今回のデコン会では岡山トヨペットの『横断歩道の恋?』をデコンしたのでシェアします。


横断歩道の恋?

岡山県は「信号機のない横断歩道における車の一時停止率」が10.3%で全国ワースト1位という不名誉な記録を持っています。全国平均を大幅に下回ります。

今でも田舎では家の鍵を閉めないところがあります。
いわゆる田舎あるある、田舎ルールです。

これと同じように、「信号機の無い横断歩道なんて誰も止まらないべ」っていうローカルルールというか共通認識があるのかもしれません。

しかし実際には、自動車が歩行者に衝突した交通死亡事故の約7割が歩行者の横断中の事故で、そのうちの約3割が歩行者が横断歩道を歩行中に発生しています。これは大問題。

モヤモヤを恋愛で

恋愛仕立てのドラマでモヤモヤを

こういう現状に対して、岡山トヨペットが恋愛ドラマ仕立ての啓蒙動画を作成。

「ドライバーの人、私のこと、気づいているかな?今から横断歩道渡るよ」

という歩行者のもやもやを伝えることに成功。「危ないから止まりなさい」と言われてもなかなか伝わらないけど、「恋愛のもどかしさ」ならドライバーにも伝わるし共感できる。

だって、みんないつかの恋人たちなんだから。

おじさんもおばさんも。
グランマもグランパも。

特異から普遍へ

この動画によって、岡山県の「信号機のない横断歩道における車の一時停止率」は10.3%→49.0%と約5倍に激増。岡山での成功例をひっさげて全国にも広がりつつあります。もしかしたら日本以外の国にも広がるかもしれません。

特異から普遍へ
地域ルールを世界ルールへ


とてもシンプルな企画ながら、ローカル(特異)を全国・世界(普遍)に拡げるモデルとして参考になる企画だと思いました。

Local first, global second

地元の問題は案外世界に繋がっているかもしれません。


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