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じつは壁が大事だよね、っていうはなし

神奈川の海のそばで生まれ育ち、おひさま大好きな私が京都にきたのは16年前。あこがれの京都ではあったものの、割とショックだったのが京都の家の暗さ。

それまでにも観光で京町家やお友達の家を訪れることはあって、さすが京都!味わいがあって素敵!と思ってました。

本来の町家には坪庭があり、光や風が取り込めるつくりになっています。ところが昔の家にはお風呂がなかったりして、坪庭をつぶしている家が圧倒的に多いんです。いざ自分が家を購入するとなると、昼間でも電気をつけなければならない家には抵抗感がありました。

そんなとき内見で訪れたテラスハウス、明るさがうれしくて即決しました。最初の京都の我が家です。

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バブルの時代に建てられたマンションで、細長い敷地に奥に向かって10戸が並ぶ形状。うちだけが道路に面しているため、2方向から採光がとれる希少な物件でした。

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壁に珪藻土を、腰壁にはDIYで鉄粉を含んだ塗料を塗り、床はフローリングを張り替えました。京都にしては明るく開放的で、気に入っていたお家です。

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こちらはダイニング、キッチン方向をみた写真。もともとオープンなキッチンを、キッチンだけ造作で製作しました。右に見える箱は冷蔵庫の裏側です。

開放的な間取りをうまく使えたのは、壁の使い方がうまくいったからなんです。というわけで、今日は壁のおはなしをします。

キッチンの壁を印象的に

LDKのつながりはそのままにしたかったので、壁で仕切ることはやめました。そのかわりキッチンの壁を印象的にみせることで、その壁に寄りそって暮らすダイニングをイメージしました。

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名古屋モザイクのタイル「エリアボーダー彩」というシリーズで、いまでもあるようです。マットな風合いがとても馴染みがよく、キッチン全体の雰囲気をあたたかくしてくれました。

一枚のタイル張りの壁が、お部屋をゆるーくゾーニングしてくれました。青い壁のあたりがダイニング、窓と黒い壁のあたりがリビング、というように。

腰壁があって成立したリビング

どの部屋にも、壁を必要とする家具があります。

キッチンなら冷蔵庫、ダイニングなら食器棚、そしてリビングはソファやテレビ、収納家具などがそれにあたります。

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リビングにもしこの腰壁がなかったら、家具の配置は困ったことになっていました。腰壁が連続していたので、かえって家具は置きやすいように思います。

見た目的にも、すべての家具を腰壁より下に納めることで、すっきりとした開放感をより強く感じることができています。

壁一面の収納を諦めて、ワークスペースに

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L字型のLDK、キッチンと反対側の端部は天井までのクローゼットになっていました。たっぷりと収納できるスペースは魅力的でしたが、私たちの生活にはパソコンが置けるワークスペースは必須。もともと壁が少ないのに、一面を収納で使ってしまっては、机を置けるスペースがとれません。

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そこで長さ2400mmのテーブルを造作家具で製作しました。リビングの収納は本やアルバム、CDなど細々としたものが入る方がいいとの判断です。将来的に子どもも一緒に座れるように、テーブルに脚をなくすことで、すっきりしたワークスペースができました。

壁を一枚追加すると、家具が置きやすくなる

ROOMBLOOM_ロイヤルカトレア (8)_小350

これは日本ペイントROOMBLOOMさんからのご依頼で、サイト用の写真をスタイリングしたときの写真です。中央に見えるラベンダー色の壁をあたらしくたてることでお部屋の使い方がひろがる、というあたらしいサービスを紹介する写真でした。

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右側に少し収納が写っていますが、その前に一枚壁をたてることで収納も増えるし、ソファを置いても様になる場所ができます。

私はこのサービス、とっても魅力的だと思っていたんですが、残念ながらいまはやられてないようです。

おうち時間が増えた今、お部屋の中に多様なスペースが必要になっています。壁を意識することで、解決できる問題があるかもしれません。ぜひおうちの壁、気にしてみてくださいね。



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