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「人を見る」ということ。

僭越ながら人事部署に所属して自社に入職希望をしている方々の面接を担当している。

皆さんは企業の面接、強いては面接官にどのような印象を持っているだろうか。

求職者の能力について不躾に聞きつくしてバッサリ切り落とす非情者。
上から目線。
企業の良い所しか話さず、実際に入社してから「騙された!」と泣く泣く不条理を飲み込んで働く。
あの手この手を使って求職者を入社させようとする常に人手不足の会社とか?

うーんどれもマイナスだな。

もちろん一口に人事っていっても千差万別なので良い・悪い経験がそれぞれあると思うが、大都会の片隅で身を置く一会社の採用担当が思うに、たとえ求職者が自社に入らなくても面接の時間は有意義であったと感じてほしいものである。

(主語が大きく感じるのであればこれはあくまで一個人の見解なのでどうか大目に見てほしい)
面接とは「見抜く」ことであり、「区分ける」ものではない。

面接に三種の神器を設けるならば、黒スーツ・履歴書・筆記用具といったところだろうか。
黒髪に無地の黒スーツを合わせて清潔感のある装いに。
履歴書には名前、住所、連絡先といった基本情報から職務経歴書を詳細に記載して、自己の強みなどを添えて魅力的な人物を彷彿とさせる構成に。
企業に対して興味のある姿勢を魅せるためのメモ帳と筆記用具。

1回の面接でも準備すること、気を遣うことが大変多い。非常に面倒。

そんなカチカチに武装してきた求職者たちを裸にさせることに私は心を燃やす。
人を雇う=人生の一部を預かる 非常に責任のある行為だ。
雇う側も雇われる側も不安がある。

大事な瞬間に携わるなら、
お互い本音で話して、認識の相違を確実に無くした状態で意思を決めてもらいたい。

求職者がどんな学歴でどんな仕事をしてきたのか、上辺だけの情報はさほど重大ではないと思う。
その人が何を思い、どんな行動を起こしたのか、心情を知りたい。

本音で向き合った結果、入社に至らなかったとしても「あの時間があったからもう一度自分について顧みて未来を考えるきっかけになった」と思ってもらえたら御の字だ。
そんな時間を提供できたらと、切に願っている。

しがない面接官でした。

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