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グルメバーガーを食べに行った日

昨日の班MTGでハンバーガーの話を掘り下げた結果、今日は班員の口がハンバーガーになってしまい、皆でランチにハンバーガーを食いにいくことに。
ヴィレバンが運営するヴィレッジヴァンガードダイナー下北沢店に行ってきた。駅からほど近い閑静な路地の一角、階段を降りた先のドアを開けると、思ったより広めの店内に古き良きアメリカンダイナーが広がる。タランティーノの映画だったらここを舞台に一悶着起きそうだ。
強気の値段設定にまず驚くが班員達の手前ポーカーフェイスを装ったのは言うまでもない。
早々にグランドメニューを遠のけ、あまり腹が減ってないような風情でリーズナブルなランチメニューから他の人と被らないバーガーを注文した。名前はチキンステーキサンドと書いてあった。もはやバーガーですらないらしい。
やはりファーストフードとは違ってかなり長い注文から出来上がりまでの待ち時間の間、会話のルートをどこかで間違えて図らずも怖い話を開陳するルーチンに入ってしまった。女の子は怖い話がダメなのか耳を塞いでしまった。
そうこうしているうちにセットのサラダが届き、サンドが届いた。マクドとは違い、写真のものと寸分違わない厚みのあるパティ、肉や野菜がたっぷりと詰まっていて高さがある。上から串がブッ刺さってなかったら中身が崩れ落ちそうだ。これこそがハンバーガーだ!(サンドだけど)
あえて味付けをしてないのでお好みで調味料を加えてお楽しみくださいとのこと。なんで?とりあえずマスタードとケチャップを側面に塗って、皆がそうするように上から圧力をかけ扁平にしてバーガー袋に挟み、串をぶっこ抜く。袋に入れてしまえばもはや崩れることはない。袋の鼠ならぬ、袋のバーガーだ。
そのままファーストバイト、パティの風味と紫玉ねぎの甘み、フレッシュなサニーレタスのシャキッとした食感、マスタードの辛味が鼻を抜ける。チキンには辿り着かなかったがこれは美味い。
セカンドバイトはより大きく口を開け、チキンに向かってガブリと噛み付いた。カリッとした衣の歯応えの後にジューシーな肉汁がほとばしり、僕はハンバーガーならぬ、サンドに致命傷を与えた。咀嚼すると口腔はアメリカ西海岸に。燦々と照りつける日差しと潮風を感じながら、味蕾という舞台上をパティ、玉ねぎ、チキン、レタスという豪華キャストがアドリブの掛け合いを始める。ケチャップ、岩塩、マスタード、チーズなど気の利いた演出陣が花を添える。気付けば舞台は大団円。僕はパティのベッド上でチキンの腹の上であえなく昇天した。
班員全員が満腹となりお会計を済ませ地上へと向かう階段を登りながら、僕はマクドへの背徳感を伴いながらも、たまにはこういうのもいいなと感慨に耽った。

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