雲の色・葉っぱの色・太陽の色

問答をする前には、そのお題になることを授業で学ぶ。

授業は一時間だったり一時間半だったり、先生によっては三時間目をつむって話された方もおられたけれど、
授業で聴いたことを自室に帰って考えて、
毎日の問答に臨む。

授業時間より、問答時間の方が長いので、
授業で学んだことより問答で学んだことの方が多い、という人もいる。

問答初心者は、「白赤の色」という、色についてのお題から問答を始める。

問答の前に、色についての授業がある。
色の定義:「色に適う」または「色として示されるに適う」
と示され、次に色の分類に入る。

色を分けると、根本の色(基本色?)と、支分の色(混成色?)に分けられる。

根本の色は、青・黄・白・赤の四色。
支分の色は、明かりの色・闇の色・雲の色・煙の色・ホコリの色・影の色・朝靄の色・太陽の光の色の八色である。

問答をする時は、先ず色の定義をあげる。
その後、色の二分類をあげて、根本と支分の色それぞれに、どんな色があるかを確認する。
全ては質問者が質問し、返答者が答える。
一通り基礎知識が出そろうと、質問者それぞれが考えてきた問答が始まる。

問答の始めに、根本の色と支分の色を分けてしまうので、
初めの問答の自由課題を、「根本の色と支分の色の関係性」にする問答者が多い。

「根本の色」と「支分の色」は、相違(反する)と返答する回答者が多いが、そこですぐに出てくる質問が、
「白い雲の色は何か?」
である。

質問者:白い雲の色は白ではないのか?
返答者:何故だ?(NOの意味)
質問者:白い雲の色は白なのか?
返答者:その通り。
質問者:白であるなら、根本の色ではないのか?雲の色である故に。
返答者:必ずしもそうではない。(雲の色であれば、根本の色でないとは限らない)
質問者:根本の色と支分の色は相違(反する)のではないのか?
返答者:何故だ?
質問者:根本の色と支分の色の共通部分がある故に。
返答者:理由が成立していない。
質問者:そうじゃないか?白い雲の色は根本の色でもあるし、支分の色でもある故に。
返答者:理由が成立していない。
質問者:そうじゃないか?白は根本の色であり、雲の色は支分の色である故に。

・・・などどいうように問答は続く。

以前、十歳くらいの男の子と、色について問答したことがある。
根本の色と支分の色を分けて、オレンジ色は支分の色ということになった。

彼:オレンジ色は、支分の色で(その理由は何か)?
筆者:混ぜられた色だから。
彼:混ぜられた色ならば、支分の色であることが遍満するか?
(混ぜられた色は全て、支分の色なのか?)
筆者:その通り。
彼:だったら葉っぱの緑色!葉っぱの緑色は支分の色ではないのか?
筆者:何で?
彼:誰も混ぜた人がいない故に!葉っぱの緑色は誰かが混ぜたのか?
筆者:・・・・・

一本取られてしまった。

雲の色は、白とか赤とか色々に変化することが、全世界共通で見られるらしい。
なので、色の問答のお題にされることも多いのであるが、
支分の色の一つ、太陽の光の色は、あまり話題にされない。

黄色い太陽の色、赤い太陽の色など、あげようと思えば結構題材にできる。

まず相手に基本的な一つのものごとの承認を求めて、

の承認を、問答を進めていくうえでひっくり返す。
白を黒であると言いくるめられれば、一人前であると言われるが(本当か?)、
とにかく最初は、ありとあらゆる考え方の道筋を探す。

筆者も問答は下手であったが、問答を聴いていると、
問答者の元気が良いのでこちらも元気になることと、
下手は下手なりに考えることが面白かったので、問答に入れてもらった。

部屋に一人でいる時にも、『これだったらこうで、こう答えたらこう質問する』とシュミレーションを組んだ。
シュミレーション通りに返答が来なくて、問答が止まってしまうことの方が多かったが、
良い経験だったと思う。

根本の色と支分の色で、どんなやり取りができるか、
暇な人は、考えてみても面白いかもしれない。

考えすぎて、眠れなくならないように!


DECHEN
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