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菩提心の称賛《宝珠の灯》第327偈

327)菩提心の滋養を得ることを
見つけた者に
滋養を得る他の必要は、何があろうか。
空の月を見て、水面に映った
月が本物であると、誰が思おうか。


偽物や投影を
本物でないと蔑めることは
いつの世にも行われる。

それだけ、
本物、本質を求める者が
多いということなのだろう。


その一方で

水面に映った月のようなものだから
それに執着するなという
教えもある。


同じモチーフを
違う形で利用する柔軟さが
仏教にはある。


しかしこの偈の中で
一番難しく
言葉で現せないことは、

菩提心の滋養とは
何であるか?

ということ。


知っている人には
言葉がなくとも伝わり、

知らぬ人には
言葉を連ねても伝わらない。


言葉も
水面に映る月に似ているから。

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