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菩提心の称賛《宝珠の灯》第334偈

334)菩提心と離れれば、
賢くとも何になろうか。
菩提心と離れれば、
真面目であろうとも何になろうか。
菩提心と離れれば、
善良であろうとも何になろうか。
それ故に、菩提心を具える者を
大切にしよう。


チベット語直訳では、
「〜賢くとも何。
〜尊者であろうとも何。
〜善良であろうとも何。
それ故に〜」
となる。

「尊者」とは、
身口意の悪行を律して
徳行を厳しく勤める者。

出家者の多いチベット人社会では
よく聞く言葉だけれど、

日本の口語ではあまり聞かないので、
「真面目」と訳した。


人の良質として尊ばれる
性質を持っていたとしても、

利他のために仏地を目指す
修行者にとっては、

大したことない
と映るのか。


いや、
それだけではないだろう。

どんなに賢くとも、
賢さを悪用する者もいる。

どんなに真面目でも、
真面目さ故に他者を許せない者もいる。

どんなに善良でも、
善良さ故に自らの足場さえ失う者もいる。


賢さと、真面目さと、善良さを
自他ともに最高活用できる

利他の方便と
ものごとのあり様を見抜く智慧を

菩提心は備えている。


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