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6月の出来事

久しぶりの投稿になります。
6月は小さい作品をポツポツ制作していました。
月初めは割と順調に描けていたのですが、中旬の頃になると飼っていた猫の体調が優れなくなり、終末医療と向きあいながらの生活になりました。
その頃から少しずつ制作のペースも落ちてしまい、今思えば気持ちの面でも余裕がちょっとなかったように思います。
しばらく猫中心の生活を送った後、眠るように旅立ったその子を無事に見送り、悲しみそこそこに私は新しい生活を始めようと作品に取り掛かりました。
ですがしばらく筆が止まっていたこともあり、すぐに調子は出ずに早速一つ目の作品をボツにしました。筆が止まるまではとても好調だっただけに悔しさもあったので、気持ちが冷めないうちにすぐに下書きから新しく取り掛かり、その日のうちにロスタイムを取り戻しましたが、どこか気持ちがついていけていないことに自覚していました。
このままでは近いうちにまた躓くような気がして、少し外出の機会を増やすことにしました。
まずは上野の国立科学博物館と、東京大学総合研究博物館へ。それぞれ一日費やして二日連続で都内へ出ました。どちらも蝶を含む標本を見に行ったのですが、今考えるとこの思い付きはとても良かったです。どちらもその会場でしか見られない標本が沢山あって、資料にできるものは写真にとって色々な世界観をインプットできました。家にいてもふさぎ込みがちだったし、自分が普段打ち込んでいるものの世界に入り込めたのは、自然とヒーリング効果もあったような気がします。


タイトル:「童心」
サイズ:F0
素材:アクリルガッシュ

モンシロチョウと黄色のベゴニアを描きました。
モンシロチョウと言えば、理科で昆虫を習うときに一番よく見かける蝶ですね。私自身も例外なく一番最初に知った蝶で、初めて手で捕まえたり眺めることができた蝶でした。
本当はこのモンシロチョウは、翅が欠けた状態で描きたかったのですが、うまくイメージができず1番最初に思い浮かんだベゴニアとの構成で完成させました。
このモンシロチョウを描いた後、なんとなくヘルマン•ヘッセの「少年の日の思い出」を思い出しました。
というのも、この話は少年が誤って同級生であるエーミールの大切にしていた蝶の標本を壊してしまうのですが、私が子供のころに、同じように友人が誤って虫取りをしていた時に蝶を殺めてしまった経験があります。ほんの子供の、ささいな出来心で捕えた蝶が友人の手の中で潰れてしまった時、私はとてもショックを受けていました。その蝶がモンシロチョウだったのでした。
何度も自分が蝶を追いかけようとその友人に言わなければ、あの蝶はずっと自由に飛べていたのではないかと、当時子供だった自分は考えました。
今思えば考えすぎだった部分もあるのですが、どうしてかずっとそれを忘れてはいけないような気がしていて、いつか蝶の絵を描きたいとずっと思っていました。
いくつか蝶の絵を描いてきて、そういえばモンシロチョウの作品がなかったな…と。
ミヤマカラスアゲハの前にもいくつか描いていましたが、そのときは決まらずに今日まで来ました。

今は「少年の日の思い出」でイメージが湧いてきたものを描いています。

7月も中旬に入り、すっかり夏らしくなってきました。果たして先月のことを書いている場合だろうか…と思いましたが、しばらく更新も止まっていましたので、ここで記事にしてみようかな、と。

少しずつですが制作しています。

彫紙アートも制作を始めていて、やることがたくさんです。この夏は忙しくなりそうです。



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