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通販を始めてみました。

今回もちょっとだけ前回の続きで、ポストカードのお話から。

出来上がったポストカードは前回の記事でお話したように、いつか展示ができたら販売したい・・・と考えていたのですが。

いつかじゃなくて、今でも良いのでは?

ふとそう思って、販売を決意しました。
決意した理由は2つあります。
1つめは、仕事を辞めたら作家業を目指したいと考えていたから。
2つめは、いつもなら通販サイトの下調べをするのですが、そうしてると時間だけが過ぎていってしまいそうだったので、早めに行動したかったから。

まず、ポストカードをメインにしたのはminneさんで販売をはじめました。
minneさんに決めた理由ですが、そもそも作家業を何かしたいと考え始めたときは絵を描いて原画の販売ではなく、アクセサリーなどのハンドメイドを考えていました。レジンなどもかなり練習したり、アイデアを練りましたが、結局は原画を売りたいという気持ちに戻っていきました。

原画以外のノベルティ商品は色々なところを調べてみたのですが、企業向けでコストが高かったり、慣れないところで商品登録やお知らせが見づらかったり、登録に費用や手数料があったりで、初心者にはなかなかハードルが高いな・・・と。それで落ち着いたのがSUZURIさんでした。


これで職業訓練で話していたことが実現できたことと、私の「絵を描く」という作家業が少しずつ形になってきました。

仕事を辞めた時もそうでしたが、作家業を始めたからと言って、収入がそこから入るわけではありません。
まず作家という職業で収入について語るには、ある程度高い収入を得て青色申告や確定申告をして、手元に残ったお金で自分の生活が無理なくできることを前提とする必要があります。
ですがこれには、本当にいろいろな考え方の人がいるのと、収入だけでは作家性のすべては見えないのでは・・・と私は考えています。

どこから自分を作家と名乗るのか

これが今回の記事で考えたいことです。
私ももともとは、子供の頃から絵を描くのが好きでした。
親は全くクリエイティブなことに興味がなくて、時間にきっちりと真面目なサラリーマンタイプの父と、料理が好きな専業主婦の母は、誰に教わることなく家にあったクレヨンで絵を描き始めた私に、とてもびっくりしていたそうです。高校生活でも美術部に入り、進路は自然と美大を目指そうと考えていました。でも結果は不合格で、諦められなかった私は美術予備校で浪人を決意しますが、何年か頑張っても合格はできなくて。そのまま夢をいったん諦めて仕事に就きました。
そうして新しい生活になりましたが、絵を描かずに仕事をしていると、必ずと言っていいほど体調を崩したりうまくいかないことが増えることに気づきました。生活をするためには働かなきゃ、でも絵を描かないと何かが苦しい・・・そもそも私に描きたいことなんてあっただろうか?
モヤモヤした気持ちはありましたが、とにかく働かなきゃと、気づけば10年以上経っていました。

「作家という名前の何か」になりたいと考えるようになったのは、彫紙アートに出会ってからでした。彫紙アートで初心者級から昇格すると、彫紙アーティストとしての活動ができるようになります。
仕事にどっぷりつかっていた私には、ただ彫紙アートをカルチャースクールで学ぶだけでなく、そういったサポートも魅力的でした。
自分が作家と言える居場所が欲しかったのです。
彫紙アートに関わるようになって、アートと呼ばれる世界は自分が思っていたよりもずっとずっと広いことにも気づきました。作家という世界そのものが広大な海の中で、今の自分は目的もなく泳いでいるようなものだなとハッとさせられ、じゃあ、いったいどこからが自分にとっての作家なんだろう・・・まるで答えの見えないトンネルに入っていきました。

公募展に出展して賞を取る?
物販でお客様とのやり取りをする?
個展を開く?
SNSで発信?バズったら作家として見られる?

いろいろ考えましたが正解はありませんでした。
収入の具体的なことは、れっきとした現実の話です。ある意味なくてはならないことだと思います。ただ、作品をたくさん買ってもらって収入が安定したら作家と言えるというのは、本当にそうかな?と自分に疑問を持つようになりました。
なぜなら日々勝手にアイデアが生まれている時の私は、収入になるかどうかよりもただ描かずにはいられないからです。
私は描かずにはいられないのに、私の作品を見ていたいという人はあまりいません。それが私にとっての「どこから作家と名乗れるのか」という苦しみに変えていました。
私が足を運んだ色々な作家さんたちには、私を含むファンがいて、いろいろな人から必要とされているように見えました。その時の自分は、作家になるためには人からの評価がないと認められないという強い思い込みがありました。誰かに見つけてもらいたい、素敵だねって振り向いてもらいたい、手に取って手触りの感覚を味わってもらいたい・・・そんな気持ちに蓋をしているとも気づかないままでした。

自分が作りたいものをつくることに大きな意味がある

憧れの作家さんたちが熱意ある活動をしている間、私はまだ自分がどうしていけばいいか分かりませんでした。そのためとても都合のいい言い訳をしていました。「仕事が忙しくて作品を作れない」、と。
そうやって作家さんの世界からも、自分が生活するための仕事からも隠れながら、毎日ずっと何がしたいかを自分に問いかけました。
そうして生まれたのが「旅立ち」を含む作品たちでした。
それをグッズに展開できることで、必ずしも人から欲しいと言われるものを作れることが作家ではないことに気づきました。

作品が収入になることは、とてもいいことだと思います。
でも、収入にならなくても、例えば椅子を作りたい、それを家のリビングに飾ってみよう。曲を作ってみたい、それを友達と歌ってみよう。描いたことないけど一枚絵を描いてみたい、描けたらフレームに入れてあの人にプレゼントしてみたい。そんな「たったひとつ」の作品が生み出せたら、それは必ず誰かの人生を豊かにします。少なくとも私は、誰かの作った椅子に座ってみたいと思うし、誰かが作ったスプーンやお椀に触ってみたいと思うし、どんな風に使いたいかを話します。作ってくれた誰かの作品を手に持ったその日から、たくさん自分の人生観が変わるのを見てきました。
そういう、本当は目に見えにくいもののことが大事だったりするのかなと、ようやく最近思うようになりました。
それは今後、より具体的に自分が何をしている作家なのかが見えてきたら、もっと大事なことにつながっていくような気がして、ここに書き残しておきたかったのです。本当はこんなこと考えるのは早すぎる気がしたのですが・・・
どんどん質より量の時代になってきている今だからこそ、より多くの人に感じてもらえたら嬉しいなっていう気持ちもあります。

私自身もたくさん作品を作って、いろいろな人たちとこれから出会っていきたいです。
次回の記事は、少し描いているのを載せられたらと思います。
それでは次の更新でお会いできますように。


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