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ザサプライザーワズサプライズドバイサプライザーセルフ

初めてそれを聞いたのは、10年くらい前でしょうか。
街中でいきなり始まるダンス。
あららと思っている内に人が増え、いつの間にか隣に居た筈の彼氏も踊っていて、最終的には指輪が出てきてプロポーズ。

フラッシュモブ。
実際に遭遇したことも見たことも有りませんが、一時期興味を持って動画を探したりしていました。
何に興味が有るって、そりゃ、サプライズを受けた女性の反応ですよ。

探して見つかるようなものですから、基本的には大成功の動画です。
でも中にはやっぱあるじゃないですか。
もう、女性が引いちゃってるような状況のやつも。
単純に恥ずかしいとか、その後のプロポーズを断るのが(保留だとしても)難しいとか、ともかく押し付けがましいのが嫌とか、色々有るでしょうし、そのどれもが「確かに!」と頷ける理由です。
「なんでこんな文化が生まれちまったんだ⁉︎」と、お嘆きの方もいらっしゃるかも知れません。

私などは、どちらかと言うとそっち側(踊っちゃう側)の人間で、「伝えたい」と思った時にあまり相手の都合を慮れなかったりするので、わからなくはない、という感じなのです。
むしろ、くらったら多分号泣するタイプの人間だと思います。

これはもう、フラッシュモブと言うより、他人にサプライズを仕掛けること全般については、かなりセンスに左右される部分が大きいと思います。
センス無いのにサプライズやりたがり、みたいなパターンがキツいですよね。
アップされることの無い「フラッシュモブ大失敗編!」なんて、身悶えする程辛いと思いますよ。
僕にも、「クリスマスに、彼女(現妻)が部屋に入ってくるタイミングで、照明を落とし、音楽の流れるスノードームで出迎える」などと言う、mission Level1のサプライズですら、なかなか向こうが部屋に入って来ず、何度もスノードームのネジを巻き直し、いざ入って来たら玄関の電気は消し忘れていて、とどめに「鍵を開ける前から、部屋の外までクリスマスソングが聞こえてたよ」と地獄のような宣告を受けた経験が有ります。
共感してもらうのは難しいかも知れませんが、思い出して文字に起こすのもしんどい事件です。己のサプライズセンスの無さに逆にびっくりしたものです。
ちなみに僕はこの件で、サプライズ仕掛け人を引退しました。

みんなが幸せになることを望んでの行為が、誰も幸せにしない、ということはまま有ります。
僕は自分がサプライズ業界の人間ではないことを学びましたので、そちらはセンス有る有識者の方々にお任せすることにします。

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