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マーケティングの面白さ

今日、このコロナ禍の中、神戸にある三井アウトレットパークに行ってきました。

ビックリするほどの賑わいを見せていたのは駐車場に繋がる一本道の長蛇の列が遠くから見えてきた時点で予想できました。「来て失敗したな」と思ったのが正直な感想。こんな事は一緒にいた奥さんには口が裂けても言えず。

長時間かけてやっと車を停めてモールに向かう。やはり中も「人、人、人」。普段なら嫌になる所だが、今回は違いました。なぜなら最近良くマーケティングの本を読んでいるからでした。

マーケティングとはなんぞや、と言うとその本質はどう言った施策をしてお客さんを呼び込んでいるのかと言う「how思考」ではなく、「どういったターゲットにどんな価値を提供できるか」と言う事だそうです。私もこの1年半程、何のマーケティングの知識も無いままガムシャラにフットサル場の売上に拘り仕事をしてきましたが、自分の担当している部門の売上が当時より数倍になった今思い返すと、結局は施策の良し悪しではなく自社が持っている価値を適切なターゲット層に届けられるかが成功の鍵だった様に思います。

そんなマーケティングの初歩の初歩だけの知識を自慢気にここで書いてしまってるくらいまだまだど素人の私ですが、今日のモール歩きではそう言った観点でどの様に顧客を呼び込んでいるのかを各店舗ごとに観察しながら気づいた事を書いていきます。

入場制限のカラクリ!?

まず気になったのが、入場制限をしているお店とそうでないお店です。そら当然人がいっぱい入ってるからに決まってるだろう、と私も最初はそう思ったのですが、実際制限をしているお店はそこまでお客さんが中に入ってる訳ではなく、制限をしているからそう見えるだけではなく、入っていたとしても他にもっとごった返しているお店は沢山ありました。

よくよく考えてみると、制限を行っているお店は当然店の前に長蛇の列が出来ていて、「なんか凄いセールでもやっているのか」とついつい中を覗いてみたくなっていました。要するに、(これが本当の意図ではなく、単なる感染予防の可能性は多大にあり)感染予防対策と同時に敢えて制限を設けてお店の前で列を作る事で、周りの注目を集めるだけでなく、列に並ばないと入れないと言う希少価値を潜在的に顧客に植え付けているのではないかと感じました。待たされる事で、ただ入ってすぐ出ようとは思わないだろうし、時間をかけて入ったからにはお得な商品を探して何か買って帰ろうと思う人も多いと思います。

顧客を全て制限する事なく入れてしまうより、敢えて制限して感染予防の安全性をブランドとしてもアピールしつつ、店前に長蛇の列を作る事によってモール中にいる沢山の潜在的顧客に向けてアピールをする。「列に並ぶのが嫌だから」と、列が少なくなる頃を狙って入る人もいたかと思います。これは私も同じでした。笑 ですが最初に見た店前の長蛇の列を見ていなかったら、その店には恐らく入る事さえなかったと思います。

後、気になったのはこの三井アウトレットパークの立地。明石海峡大橋が間近で眺められる景色の良さで、ただの買い物客だけでなくデートスポットとしても使える武器も持っていました。これを見せられると、デートスポットとしての活用として男性陣は彼女が変わる度に一度は連れてこようと思うだろうし、彼女も彼氏が変わればまた行きたいとデート先として提案するのではないでしょうか。要するにリピーターに繋がるアトラクションが立地風景としてあるのは大きいと思います。

そして家族連れにも楽しめる様な大きな芝生の広場もありました。買い物も安く、レストランも充実、芝生公園で子どもとも遊べるとなれば近くに住む家族は間違いなく年に何度か訪れるでしょうし、少し離れていたとしてもまた子どもが出来たら来ようとか、バーゲン時には来ようかなと出かけ先の選択肢には少なくとも入ってくるでしょう。恐らくこう言った良い点が好印象となり無意識的に頭に刷り込まれる事がすでに、マーケティング戦略の術中にハマっている証拠なのだと思います。

なぜならまずマーケティングに大事なのは4つのP(Place・Promotion・Price・Product)だそうです。そしてこのPlaceは正に今日見たお店に顕著に出ていました。Placeと言うのはなぜその場所にお店を構えたのかと言う事をマーケターとして言語化できるかと言う事です。2Fに店を構えるより、1Fに構える方が認知度に10倍の開きが生まれると言うのも、同じモール内であっても言える事でしょう。モールであれば全部の店を回りたいと思う人も多いのでここまでの差はないかと思いますが、例え家賃が倍くらいあったとしても認知度にかなりの差が出るのであれば先行投資として高くはないと言えます。現に、ビックチェーン店のマクドナルド、ナイキ、アディダス、ディーゼルやアローズなどは全て1階に。プーマは2階でしたが、階段を上がってすぐ目に入る絶好の場所に大きな店舗を構えていました。

PriceやProductはなぜこの値段でこの商品なのかの言語化が必要であり、Promotionはチラシなどの広告の打ち方の言語化が出来るか。本当にこのモール歩きだけでも色々なヒントがあり、色んな「なぜ」を頭に浮かべる事でその謎解きをしているのが楽しくなってきます。(恐らくこんな事を考えるのが面倒くさい人はこう言った職種は向いていないのだと思いますが)

お客様の声を拾いまくる

そしてマクドナルドをV字回復させたサラ・カサノバさんの言葉を借りれば、『お客様目線になる』『一緒に取り組む』『現場に行く』『まず行動して積極的に動く』。

現状すでに成長した企業が業績不振になる理由は、お客が本当に求めているモノと、経営陣が売りたいモノの解離が起きている事がほとんどだそうです。これを解決するには徹底的に顧客の意見を聞く。カサノバさんも店舗を足繁く通ってお客さんと話をしたそうです。そしてお客さんからのアンケートが取れるアプリを開発し、アンケートに答えるとSサイズのポテト無料券がついてくる様な工夫も施しました。

私もフットサル場運営をしていてお客さんに意見を聞いては新しい企画を打ち出して来ました。スタッフ内で会議をして「これは人が集まるぞ」と自信を持って打ち出すイベントが鳴かず飛ばずの時が結構あったのは、そこにズレが生じていたからでしょう。

機能的価値と情緒的価値

そしてこの二つの価値の理解もマーケティングをする上で考えないといけない点です。機能的価値とは自分達が売ろうとしているモノやサービスの便利さや素晴らしさであり、情緒的価値と言うのはそのモノやサービスから連想される特別な感情の事です

今の時代、モノが溢れすぎていて、機能的な価値はほとんど差がないと言えます。画期的な商品が生まれてもすぐに他ブランドが同じ様な機能を付けたり、それを凌ぐ機能を安価で作って売り出したりと機能的価値の競争は止まる事を知りません。

情緒的価値とは、例えばApple製品を持っていると感じることが出来る高級感やそのブランド価値が大きな付加価値としてその人の感情に満足感や幸福感を与えてくれます。これはスターバックスや、ベンツなどの高級車ブランド、スポーツブランドのNIKEやディズニーリゾートも同じです。こう言ったモノを買った後やサービスを受けた後に得られる優越感や満足感を人は求めてやってくるのであり、そう言ったブランド価値を創り上げるコンセプトがマーケティングの大事な要素になるそうです。要するに消費者がどの様な自己実現を求めているかを分析する必要があります。

例えばフットサル場だと、「スタッフ同士も仲が良く、施設の雰囲気が良い」と言うのは大きな武器になります。ここに来れば、リラックスしながら気兼ねなく体を動かし汗を流して帰れる幸福感や満足感が保証されている、のであれば利用者は他の施設には行かず、この施設を優先的にチェックしてくれると思います。こう言った大手メーカーやブランドの考え方は小さな規模の会社でも間違いなく当てはまる事だと感じています。

こう言った初歩的なマーケティングの知識は西村マサヤさん(Twitter: @masayaquality)のツイートやNoteも参考にさせて頂きました。もっとさらに知識を得たい方は見てみる事をオススメします。

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