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Greater Idaho運動の詳細

こんにちは、カナダ在住のやまたつです。

https://youtu.be/hAMA_ixd25s


↑この動画で概略をお話しした“Greater Idaho運動”についてもう少し詳しくお話しします。

“Greater Idaho運動”とは、OR(オレゴン)州、CA(カリフォルニア)州の一部がID(アイダホ)州への編入を求める運動
州面積が減り、州人口が減る抜けられる州は納得し、州議会での承認を得ることができるのか?
結論としては承認を得ることができる可能性があります。


(1) 民主党の地盤強化につながる

OR州・CA州どちらの州もいわゆるブルーステート(青州/民主党が優位)。
たとえブルーステートであったとしても郡によっては共和党が優位な郡もある。
よく言われるのが、都市部が民主党優位、田舎が共和党優位ですね。

例えばCA州といえばブルーステートの筆頭ですよね。しかし、州を郡で分けた場合トランプ大統領が圧勝している郡もあります。

このGreater Idaho運動に賛同している郡は基本的に共和党優位の郡です。そこが抜けるということは、民主党優位の郡だけが残り、むしろOR州とCA州の民主党勢力が強くなることを意味します。
ですので、今回の動きはむしろ民主党にとっては好都合なものなのです。


(2) 連邦下院議員の勢力図には影響がない

連邦下院議員は435人。それを人口に応じて振り分けられています。
Greater Idaho運動が成就した場合はOR州とCA州の州人口は減ることになり、ID州の人口が増えることになります。
当然、これに合わせて議席配分が変わるわけで、OR州とCA州は1議席ずつ減らされ、ID州は2議席増えることが試算されています。
そのため、大統領選挙における選挙人数に影響はあります
(ID州2人増/OR州とCA州1人ずつ減)


しかし、ID州に併合される選挙区の連邦下院議員選挙はどちらも共和党議員が圧勝しています。
つまり、連邦下院議会における勢力図に影響があるとは言えないわけです。


(3)51番目の州として独立する選択肢はないのか?

これはありえません。
共和党がワシントンDCを州格上げ(これは違憲なことが問題ですが)やプエルトリコの州格上げを全力阻止しているのと同様のことが起きます。

というのも、合衆国憲法の規定により、人口に関係なく各州連邦上院2議席が割り当てられます。51州目の州として成立すれば、ほぼ間違いなく2議席とも共和党が独占することになります。そんなことを民主党が許すわけがありません。

もちろんこれはGreater Idaho運動を主導しているグループの試算ですから、実際にそれぞれの州議会での議論の中でいろいろな問題が出てくると思います。
まだまだ始まったばかりです。


ということで今回の話は以上にします。
最後までご覧いただきありがとうございました!!


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