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たのしい観光地〜僕にはこんな絵が映り、こんな音が聞こえている

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コラムニスト中丸謙一朗が描く、ニッポンの観光地の味わい方。 多層な時代の歴史的エピソード、サブカルチャーの聖地、偉人たちの見つめていた景色。レイヤー構造として捉え直す、新・観光地… もっと読む
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記事一覧

(最終回) 越後出雲崎、4つの物語

 新潟に出雲崎という町がある。全国的な知名度はけっして高いとは言えないが、「たのしい観光…

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(第37回) 精神世界の六本木・天河大辨財天社

 奈良「天河大辨財天社」の宮司、柿坂神酒之祐氏はおもしろいことを言う。神主から観た神道の…

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2年前
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(第36回) “敵に塩”の舞台、千国街道の塩っぷり

 塩はおもしろい。その使い方によっていろんな意味を持ってしまう。以前、懇意にしてもらって…

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(第35回) 大磯・旧吉田茂邸と湘南の夕暮れ

 加山雄三、ユーミンにサザンオールスターズ、湘南乃風というバンドもあった。大ブームとは言…

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(第34回) 下北半島・仏ヶ浦 『飢餓海峡』(水上勉著)の旅

 仏ヶ浦は青森県の下北半島、鉞(まさかり)の刃の部分に当たる海岸線にある(下北郡佐井村)…

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(第33回) 炭鉱の街を元気にした飯塚・嘉穂劇場

 明治時代、開国後の日本は「世界に誇れる総合芸術を」という掛け声のもと、演劇改良運動が行…

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(第32回) ゴジラ対策基地・多摩川浅間神社

 強く思うことは必ず実現する。時は昔。日本社会が、まだまだ物事の整理がついていない、熱気ムンムンの(高度経済成長)時代。私たちは、日々、いろいろなことを妄想した。  野球選手になりたいとか、ロックスターになれるだとか、UFOを捕まえるだとか……。日曜日の昼下がり、ラジオの『歌謡ベストテン』を聞きながら半分居眠りをし、そんな白日夢に耽っていると、親から「なに寝ぼけたこと言ってんだ、しっかり勉強しろ!」とお決まりのように言われた。  ここで、巨大なゴジラと自衛隊に戦闘を繰り広

(第31回)  蘭学者・前野良沢の眠る寺

 相変わらず全国的に緊急事態宣言が続く息苦しい日々が続いている。日本の観光はどうなってし…

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(第30回)  小津安二郎と鎌倉の裏路地

 コロナ禍の自粛生活もずいぶんと長くなった。遠出は出来なくなり、滞在時間の短いき近隣観光…

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(第29回) 自分で切り倒した木に押しつぶされて死んだビーバー

 ネットの片隅に「自分で切り倒した木に押しつぶされて死んだビーバーを発見」(デイリー・メ…

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(第28回) ジャンクションにダム萌え。コンクリートはおもしろい!

 ある取材で大阪に出向くこととなり、阪神高速道路「阿波座ジャンクション」の真下で待ち合わ…

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(第27回)千家和也作品のなかで、私がいちばん好きなものは、百恵ちゃんが歌った『湖…

 先日、作詞家の千家和也さんが亡くなった(2019年)。若い頃のヒットメーカーぶりは有名だが…

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(第26回)ニッポンを歩いた象

 ここまで情報化が進んでしまうと、ちょっとやそっとの事件では驚かない。またスマホで撮られ…

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(第25回)「宇佐八幡宮のモノレール」

 大分県宇佐市にある宇佐神宮は、全国に4万4000社ある八幡宮の総本社である。石清水八幡宮(京都・八幡)と鶴岡八幡宮(鎌倉)とともに、日本三大八幡宮とされる。皇室との関係も深く、一時は伊勢神宮を凌ぐほどの崇拝の対象になり信仰を集めた。神社の格等に関しては複雑なので、これ以上は割愛する。  今回私が注目したのは、宇佐神宮のモノレールである。以前この連載で、神社仏閣の高勾配の階段について書いた。わたし自身、山梨の身延山久遠寺で大怪我をし、身に沁みて書いた回である。  神社仏閣