【2024年4月版】マイナビニュース連載で紹介した財務担当者向け参考文献 7年分全部載せ

2023年

リスケの出口が見つかる! 資金繰りと銀行交渉のすべて

2013年1月発行。
版元のWebサイトには掲載されていないので国会図書館のリンクを引用しておりますが、同友館の企業経営に関する書籍は良著が多い印象を持っております。本書では実務で使う用語についてきちんと解説が添えられていますし、事業計画を作成する際のセルフチェックの手順も具体的で理解しやすいです。中小企業政策の主眼が資金繰り支援から事業再生支援へと軸足が移るなか、とても参考になる本です。

税理士必携 顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック

2023年12月発行。
融資に関する論点が丁寧に構造化されており、事典のように使えます。数字を示した方が分かりやすい箇所はしっかり数字が紹介されていて、ストーリーが具体的なので、融資交渉の現場の機微が伝わってきます。タイトルに税理士必携と書かれていますが、専門家だけでなく企業の若手財務担当者のような初学者にもお薦めです。

わかりやすい プロジェクトファイナンスによる資金調達

2021年6月発行。
はしがきに記載がある通り「プロジェクトファイナンスによる資金調達のノウハウをコンパクトに解説した本」です。スポンサー&SPC側とレンダー側の双方の視点を紹介しているので、プロジェクト組成時の交渉の概要についてイメージしやすくなっています。資金の借り手の立場について書かれていることが非常に重要で、金融機関からの質問を事前に想像できますし、回答方針を作成するためのガイドブックとして利用できます。

発電プロジェクトの契約実務〔第2版〕

2023年6月発行。
私自身は、プロジェクトファイナンスの契約書にどのようなコベナンツ(財務制限条項)が付くのか知るために購入しました。リスクを洗い出して対応策を考え、合意事項として契約書にまとめていくプロセスは、事業予算を立案する作業と表裏一体だと感じました。法務のジャンルの書籍ですが、財務担当者が費用項目を検討するときの抜け漏れを防ぐために有用です。

シンプル解説 オルタナティブ/サステナブルローン

2022年12月発行。
2014年刊行の「シンプル解説オルタナティブローン」の改訂版です。 様々なデットファイナンスのスキームについて、スキーム構成者・リスクの所在・契約条件(期間、金利等)・締結する契約書の種類に関する情報をまとめて、特徴を分かりやすく説明している概説書です。各分野の専門的な内容について知りたいとき、本書に掲載されているキーワードを手掛かりに調べると、作業が捗ります。

ゼロゼロ世代の悩みを解決! 融資の基本と対応Q&A ~押さえておきたいゼロゼロ融資先への提案ノウハウ

バンクビジネス NO.1053 2023年6月号増刊。
金融機関側から見たときの融資の審査と手続きの教科書です。2023年の私の記事は保証に焦点を当てて執筆しておりますが、現場での経験を基にして書いているので、未経験の事例はどうしても抜けてしまいます。網羅して解説するための視点を補っていただきました。

第5版 貸出稟議書の作り方と見方

2011年11月発行。
10年以上前の書籍ですが、貸出稟議書のフォーマットを知ることができる点が、企業の財務担当者からみて嬉しいポイントです。金融機関側からヒアリングを受ける内容を事前に予測した上で、資料の準備をすることができます。貸借対照表・損益計算書の勘定科目毎にチェックポイントが記載されている表も、活用範囲が広いです。

融資契約の法的性質と金融機関の融資義務についての一考察

東京大学法学政治学研究科専修コース(現在は廃止)の研究年報に掲載されている、2005年3月に発表された論文です。融資交渉過程におけるポイントを融資交渉開始・条件領域到達・融資合意・契約締結・融資実行の5段階に分けて、各フェーズにおける金融機関と借主のそれぞれの法的責任について検討しています。私は今まで融資交渉開始と条件領域到達をほぼ同一視していたので、分けて考える点が新鮮でした。
なお、契約の条件領域(ゾーン)の概念は、「言葉では表しにくいが、仮に最も単純化して表現すると、借主の信用状態からある程度の基本的条件は、x 軸を融資金額、y 軸を金利、z 軸を担保とする 3 次関数上において、球体(正確には「塊」)で存在する。この球体内のある1点が合意点である。ただ基本的な条件といっても実際は当事者により様々な条件が存在し、低次元の関数で表現することは不可能であるから、あくまでも一般概念として提示したまでである。」と説明されています。

2022年

月刊「企業実務」公式サイト

1962年創刊。
株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テックが運営(編集)し、日本実業出版社が発行している月刊誌です。経理•総務•人事の各領域について分かりやすく情報がまとめられており、若手の担当者のガイドブックとして活用できます。

中小企業金融の経済学 金融機関の役割 政府の役割

2022年6月発売。
検証中小企業金融:「根拠なき通説」の実証分析』の続編にあたる研究書です。2019年頃までのデータを取り扱った定量分析が多く含まれており、コロナ禍の直前の状態を知ることができます。担保や保証についても議論されているので、昨今金融審議会にて検討されている事業成長担保権について考える上でも、欠かせない文献だと思います。

スタートアップ投資のセオリー 米国のベンチャー・キャピタリストは何を見ているのか

2022年6月発売。
第一線で活躍するベンチャー・キャピタリストが書いたスタートアップ投資の教科書です。第5章「米国のVCと日本のVCの違い」では日米の制度比較がなされているのですが、メディア報道とは異なる視点で書かれており、物事を多面的に見ることの重要性にあらためて気付きました。ベンチャー・キャピタリストを養成するカウフマン・フェローズ・プログラムについても紹介されています。

ビジネススクールで身につける ファイナンス×事業数値化力

2022年9月発売。
日本のファイナンス力を高めたいというメッセージが伝わってくる書籍です。財務担当者が業務を遂行する上で何を考えているのかを垣間見ることができる内容で、学生にもお薦めです。

新解釈 コーポレートファイナンス理論 「企業価値を拡大すべき」って本当ですか?

2022年10月発売。
スタートアップ界隈では語られることが少ない資本コストについて、理論と実務の双方の観点から理解を深めることができる本です。「第8話 コスト削減の努力は報われるか? キャッシュフローという現実性」の章では、会計とコーポレートファイナンスの相違点が分かりやすく説明されているので、経理職と財務職の差が何なのかを理解するための助けになります。

金融マンのための不動産ファイナンス講座〈第3版〉

2021年12月発売。
不動産を担保とする融資は、無担保融資では馴染みのない用語が頻出するため、未経験の財務担当者が全体像を把握することは難しいです。本書では不動産取引に関与するプレイヤー、不動産のデットファイナンスとエクイティファイナンス、担保価値の評価、会計と税務のそれぞれについて解説されているので、入門書として最適です。

企業の多様な資金調達手法に関する実態調査 調査報告書

2019年2月に帝国データバンクがまとめた報告書です。動産・債権担保融資(Asset-based Lending、ABL)の実態について情報が集められており、担保として考えられる棚卸資産・機械設備・債権をどのように組み合わせて融資が実行されたのか、どの業態の金融機関が積極的だったのか、統計値が示されています。ローカルベンチマークやFintechの融資・審査への活用について触れている箇所もあるので参考になります。

2021年

金融・資本市場リサーチ

2021年2月創刊の季刊誌で、「産官学のプラットフォームとして金融・資本市場についてのオピニオン・論考を発信する媒体」とのことです。一橋大学大学院経営管理研究科のメンバーを中心に、民間からも執筆者を募って発行されています。個人的には、マーサージャパン株式会社 代表取締役社長CEO 草鹿泰士氏の連載「フィンテックスタートアップ戦記」を楽しみに読んでいます。

サラ金の歴史

2021年2月発売。
法人向け融資について考えるとき、出資による資金調達と比較することでメリット・デメリットを把握できたように、個人向け融資の特徴と対比することで更に理解が深まります。日本におけるマイクロファイナンスの歴史が記されており、人間がいかに借りたお金を返さないか、知ることができます。現代の起業家が融資の経営者保証に対して異を唱える気持ちも分かりますが、先達が好き勝手に資金提供者を蹂躙してきた結果として出来上がった制度でもあるので、資金調達の契約をビジネスとして合意することの大切さを再確認しました。

企業価値向上のための資本コスト経営 投資家との建設的対話のケーススタディ

2020年8月発売。
東京証券取引所が公表しているコーポレートガバナンス・コードにおいて、上場企業は自社の資本コストを適格に把握することが求められております。その資本コストの推計方法について最新情報が紹介されているとともに、IR(Investor Relations)の実例が収録されており、財務担当者が経営戦略や経営計画について投資家とコミュニケーションを取る際の参考になります。

ザ・ネクストバンカー 次世代の銀行員のかたち

2019年8月発売。
銀行の支店長をはじめとした、現場で働くリーダーのインタビューを集めています。銀行員がどのような気持ちで仕事に取組み、どのようなことを考えて行動しているのか、窺い知ることができます。融資は商取引ですから、企業の財務担当者は取引先である金融機関の担当者のことを知るに越したことはありません。相手の立場を知る一助になる本です。

実録 資金ショート危機から生還した病院 銀行に見殺しにされないための十箇条

2009年10月発売。
病院の経営再建を担った担当者が書いた、金融機関との交渉録です。交渉前の準備としてのコストカットの過程、複数の金融機関と同時並行で交渉するための段取り、登場人物の言葉遣いや言い回し等、全てが生々しく感じられます。銀行から提出を求められた資料の一覧や、実際に作成した事業計画書や資金繰り表も掲載されており、赤字の環境下で融資の申し込みする際の指針となります。

中小企業金融入門(第2版)

2006年3月発売。
民間金融機関・公的金融機関だけでなく、直接金融やノンバンク・リースまで含めたかたちで中小企業を取り巻く資金調達環境を解説している書籍です。特にノンバンクとリースに関しては取引実態を解明している文献が少ないため、参考になります。日本とアメリカやヨーロッパの公的な融資制度を比較する章も設けられており、国内の資金調達環境の特徴を理解する上で助けになります。

P.O.ファイナンスの企業ニーズ(中間)報告

2013年3月に金流商流情報連携タスクフォースの活動報告として発表された資料です。PO(Purchase Order)ファイナンスについて、詳細に調査・検討されています。海外事例も紹介されており、ビジネススキームや具体的な利用シーン、融資の諸条件の水準が書かれていて勉強になります。なお、本報告書の内容を引き継いで公表されている資料は「SCM における金流商流情報連携」になるので、併せてチェックするとよいでしょう。

2020年

東京マネー・マーケット 第8版

2019年11月発売。
短期金融市場についての解説書です。金融機関が日頃の資金をどのように融通しているのか、垣間見ることができます。歴代日銀総裁在任中のイールドカーブというグラフが要注目で、1990年代初頭には6%台だったリスクフリーレートが、1990年代末期に1%以下まで暴落する様を見て取れます。デットファイナンス界隈には「負債は可能な限り圧縮すべし」という立場の専門家と「借りられるだけ借りるべし」という意見の専門家がおりますが、1990年代以前の時代を経験しているか否かがポイントだと言えそうです。

第14次業種別審査事典

2018年に紹介した業種別審査事典の最新版が発行されました。4年ぶりの全面改訂で、1,500を超える業種について網羅されています。内容については繰り返しになりますが、業界毎に市場の規模や動向、関連法令、業界団体、代表的な資金ニーズ、利用できる制度融資等の情報がコンパクトにまとめられています。自社の説明資料の構成を決めるときや、内容に抜け漏れがないか確認するときに参考になります。

近代セールス

金融機関の営業担当者向けの隔週誌です。金融機関が融資を検討する際にチェックするポイントを学習することができます。2020年8月1日号の特集は「コロナ禍こそ問われる! プロパー融資の進め方~信用保証や制度融資に偏らない支援のポイント」で、資本性借入金についても解説が載っていました。

税理士を代表して金融機関の友人100人に「銀行融資」について教わってきました

2020年2月発売。
融資を意識して計算書や勘定科目明細を作る際に気を付けるポイントを、税理士の目線で整理している本です。融資をしようとした時、絶対求められるものとして「試算表(前の決算から半年ほど以上経過している場合)」があると書内で紹介されていますが、補足説明が必要で、いわゆるメガバンクと取引する場合は決算後2か月経過した時点で要求されるのが通例です。半年(6ヵ月)という期間は各信用保証協会のWebサイト等で説明されている内容になります。

「新型コロナ資金繰り対策」がすべてわかる本

2020年6月17日時点での情報をもとに、給付金・協力金・融資・助成金・補助金・納税猶予・支払猶予に関するトピックスをまとめている本です。第2章が融資に関する内容になり、コラムが充実しています。初心者が財務の基礎的な用語を理解する助けになると思います。

顧問先が融資を受けやすくなる! 税理士が知っておきたい 中小企業の財務改善ノウハウ

2019年12月発売。
融資申込の支援をしている税理士がまとめた書籍で、帳簿作成時のチェックポイントや金融機関との付き合い方について、実践的なノウハウがふんだんに盛り込まれています。内容に関しては、融資金額の支店決裁枠に囚われすぎている節があります。支店決裁枠の大きな支店を求めて金融機関の営業エリアを越境する場合、地方自治体の制度融資が受けられなくなる可能性があるので注意が必要です。

検証中小企業金融「根拠なき通説」の実証分析

アカデミックな分野の書籍も1冊紹介いたします。2008年発行の研究書になりますが、データ収集の困難さが原因で従来は調査が困難だった中小企業の融資について、丹念に紐解いています。上場企業への融資に関する研究では、いわゆるリレーションシップバンキング(関係依存型金融)が観察されてきたとするものが多いですが、本書では「日本の中小企業向けには関係依存型金融が提供されてきたとはいいがたい」と結論付けられており、タイトル通り通説に根拠がないことが示されています。

2019年

資金調達の“壁"を打ち破るライツ・オファリングメソッド

2019年4月の新刊です。
一般に、公募増資では時価総額の2割までしか資金調達ができないと言われます。その“壁"を突破するために著者が選んだ手法が、新株予約権を利用したライツ・オファリングです。ライツ・オファリングを用い、時価総額の2割を超えて資金調達をした際にどのような取引条件を譲歩したのか。ライツ・オファリングを2回、3回と重ねる中でどの取引条件の改善を狙い、結果として取引条件全体がどのように変化したのか。実体験が綴られています。財務の業界の大先輩がこうしてノウハウを残してくださり、書籍を通じて追体験できることが幸せだなと思いました。大学生向けの企業金融の教科書(概論レベル)を1冊読み終わった人向けの本です。

スタートアップ入門

こちらも2019年4月の新刊です。
2019年度で15期目を迎える東京大学の授業、「東京大学アントレプレナー道場」のエッセンスをまとめた教科書です。東京大学産学協創推進本部が10年以上にわたり起業支援をしてきた過程で得た経験則を、分野ごとにまとめた内容になっています。例えば「大企業とスタートアップ」「日本とシリコンバレー」「融資と出資(デットとエクイティ)」といった論点をフェアな視点から比較し、類似点と相違点について解説しています。経営の分野の初心者でも読みやすいよう、基本的なビジネス用語について丁寧に説明しているところも特徴です。ベンチャーに関する書籍を読む前に手に取るとよい、大学生や若手社会人向けの本です。

社長のお金の基本

2年前にも取り上げた『あなたの会社のお金の残し方、回し方』の著者の、2019年3月の新刊です。ご自身の実体験をもとに、金融機関との付き合い方の作法、言ってはいけない言葉、交渉する際の方法論が紹介されています。経営者や財務担当者向けの書籍です。

スタートアップのファイナンスにおける落とし穴とその回避方法

Kirsty Nathoo氏がStartup Schoolにて講義した内容が、FoundXのWebサイトにて翻訳されています。スタートアップが資金を管理するにあたって注意を要する指標について、具体的な数値を示しながら解説しています。「CFOをいつ雇うべきか」という質問に対する回答は大いに同意するところであり、投資家や金融機関との交渉を煩わしく感じてしまう経営者に対する戒めだと考えます。

御社の寿命

2015年発行の本ですが、信用調査の際に参考とする帝国データバンクの評点がどのようなプロセスを経て算出されているのか、平易に紹介されている新書です。老舗企業の経営者のインタビューも掲載されていて、経営者が読んでも若手社会人が読んでも興味深い内容となっております。

現代語訳 銀行業務改善隻語

昭和2年(1927年)に書かれた本。銀行員向けの書籍ですが、生業としてお金を取り扱う者の心構えが説かれていると捉えます。立ち居振舞いに関する記述だけではなく、企業やビジネスパーソンを見る際の知恵がふんだんに盛り込まれています。余談ですが、読み進めると戦前の知識人の語彙力に圧倒されます。勉強不足を痛感いたしました。

2018年

財務制限条項の実態・影響・役割―債務契約における会計情報の活用

本連載では取り上げていないデットファイナンスにおける財務制限条項(コベナンツ)について解説しています。財務制限条項は、信用力の低い(借入余力の小さい)企業が融資を受ける際に、金利水準や保証・担保に加えて更に譲歩する内容を指します。過去には配当制限や追加借入制限が課せられることが多かったものの、最近はEBITDA等※のキャッシュフローを意識した内容が多く利用されていると紹介されています。

※EBITDAは「Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization」の略語です。税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて計算します。融資の返済原資を推計する際に用いられます。

ファイナンス業務エッセンシャルズ 財務戦略の形成と実践

企業再建時のDDS・DES※を用いた経営改善計画の立て方について、ガイドラインが示されている本です。赤字の環境下で融資を申し込むケースにおいて、再建期間をどの程度に設定してどのような条件を提示すればよいのか、考える際に参考になります。金融機関に対する言葉遣いに関するアドバイスも載っていて、プレゼンテーションの前にコメントを練ることの重要性をあらためて認識しました。

※DDSは「Debt Debt Swap」の略語で、既存借入金の一部を劣後ローンに振り替える方法です。DESは「Debt Equity Swap」の略語で、既存借入金の一部を株式に振り替える方法です。財務体質の改善を目的として利用されます。

社外秘 お金を借りる会社の心得 銀行取扱説明書

小説で有名な池井戸潤氏は、過去に実用書も執筆しております。手形割引の実務や、融資実行時に設定する担保に関する実務について解説されており、資金を貸し出す側がどのように安心材料を揃えていくのかを垣間見ることができます。また、同氏の著作「イメージと銀行の見た実力はこんなに違う 会社の格付 有名企業56社の格付を公開」の巻末付録のスコアリングシートには、金融機関側が融資を検討する際の評価ポイントが列挙されており、資料作成時の情報整理に役立ちます。例えば、債務償還年数やインタレストカバレッジレシオ、流動比率、売上高経常利益率、業歴等の数値が挙げられています。

第13次業種別審査事典 全10巻

※2024年4月時点で第15次業種別審査事典が発行されているため、URLなし
金融機関の審査・調査の担当者が執筆した資料があります。業界毎に市場の規模や動向、関連法令、業界団体、代表的な資金ニーズ、利用できる制度融資等の情報がコンパクトにまとめられています。自社の説明資料の構成を決めるときや、内容に抜け漏れがないか確認するときに参考になります。

帝国ニュース

倒産情報や業界動向が紹介されているニュース媒体ですが、筆者は有識者の連載記事を楽しみにしています。用語解説をはじめとした基礎的なものから、金融検査マニュアルの解説のような玄人好みの読み物、弁護士が綴ったリアリティ溢れる体験談まで、内容は幅広く非常に勉強になります。

2017年

企業財務の分野で、理論と実務のバランスがよい教科書を2冊紹介します。大学生でも読める内容です。

現代ファイナンス論

実践プロジェクトファイナンス

また、金融機関側が融資の審査をする際にどのようなプロセスを経ているのか、資金調達する企業側が融資を申し込む際に何を考えればよいのか、各々の視点から解説した本を3冊並べました。

融資審査[第3版]

あなたの会社のお金の残し方、回し方

銀行に好かれる会社、嫌われる会社

会計の分野で利益計算の詳細なプロセスについて解説した教科書を1冊、疑わしい会計処理について解説しており反面教師として活用できる内容の本を2冊、それぞれ選びました。

原価計算【六訂版】

会計不正はこう見抜け

最近の粉飾〔第7版〕

営業は、財務担当者が最もイメージしにくい仕事かもしれません。営業担当者がどれだけ大変なのか追体験できる本と、利益に直結する「値決め」に関する教科書を取り上げています。

絶対達成バイブル

価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白

広報の仕事は効果測定が難しく、財務担当者を悩ませます。下記の書籍は広報の業務内容を詳細に把握できるので、お薦めです。

企業不祥事・危機対応 広報完全マニュアル

人事制度を構築する上で参考となる概要書と、報酬に関する相場観を解説している本です。

人事管理入門 〈第2版〉

※2024年4月時点では人事管理入門(新装版)が最新です。

起業家はどこで選択を誤るのか

商品やサービスを提供する際に、段取りを考え、資材を準備し、工数を見積もります。納期・品質・コスト等、作業が完了するまで不確実なものをどのように管理するのか、リスク評価も含めて概観できるように文献を集めました。

生産マネジメント入門 I

生産マネジメント入門 II

ラブロック&ウィルツのサービス・マーケティング

「事務ミス」をナメるな!

失敗百選

WBS構築

現代のCFOの役割と、かつて番頭と呼ばれた経営者の役割は、相通ずるものがあると感じています。筆者が個人的に憧れている3名の経営者の著作・評伝を挙げました。併せて、日本最古の経済小説といわれる古典をひとつ。財務の仕事に思い悩んだときのヒントになると信じています。

松明(たいまつ)は自分の手で

わが師としての松下幸之助

松崎半三郎

新版 日本永代蔵

以上です。(順不同)

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