【2024年5月版】デットファイナンスに興味がある財務担当者向けお薦め参考文献 理論編

コーポレートファイナンスの分野

中小企業金融の経済学 金融機関の役割 政府の役割

2022年6月発売。
『検証中小企業金融:「根拠なき通説」の実証分析』の続編にあたる研究書です。2019年頃までのデータを取り扱った定量分析が多く含まれており、コロナ禍の直前の状態を知ることができます。担保や保証についても議論されているので、昨今金融審議会にて検討されている事業成長担保権について考える上でも、欠かせない文献だと思います。

検証中小企業金融

2008年発行の研究書になりますが、データ収集の困難さが原因で従来は調査が困難だった中小企業の融資について、丹念に紐解いています。上場企業への融資に関する研究では、いわゆるリレーションシップバンキング(関係依存型金融)が観察されてきたとするものが多いですが、本書では「日本の中小企業向けには関係依存型金融が提供されてきたとはいいがたい」と結論付けられており、タイトル通り通説に根拠がないことが示されています。

中小企業金融入門(第2版)

2006年3月発売。
民間金融機関・公的金融機関だけでなく、直接金融やノンバンク・リースまで含めたかたちで中小企業を取り巻く資金調達環境を解説している書籍です。特にノンバンクとリースに関しては取引実態を解明している文献が少ないため、参考になります。日本とアメリカやヨーロッパの公的な融資制度を比較する章も設けられており、国内の資金調達環境の特徴を理解する上で助けになります。

現代ファイナンス論 : 意思決定のための理論と実践

企業金融の若杉敬明ゼミで輪読していた、私の企業金融歴の原点となっている教科書です。思い入れがあるのでご紹介。

決済の分野

SWIFTのすべて

2009年7月発売。
国際的な資金決済で用いられるSWIFTについて解説している教科書です。

証券決済システムのすべて(第2版)

2008年4月発売。
国債をはじめとした有価証券が資金と引き換えに受け渡しされる仕組みについて説明している書籍です。

決済システムのすべて (第3版)

2013年2月発売。
普段資金決済に利用している口座振替が実行される手順について知ることができます。

(順不同)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?