生きてない、ただ死んでないだけ。

先週末常滑にて開催された地域CSファイナルで上位入賞したことで、2年ぶりにPTにカムバックすることができた。今回の記事ではこの2年の間に自分がどうマジックと向き合ってきたかを綴っていく。

話は遡り2年前。

MPLが終わり、それに続くプロの制度がなくなった際に、僕のマジックのモチベーションは完全に地に落ちた。10年以上マジックの競技プロとして活動してきてそれに命をかけてコミットしてきた自身を否定されたように感じたし、コミット出来るほどのリターンが新たなPTに見出せなかったからだ。

前年度のステータスにより年間を通して予選の権利は免除されていた為、地域CSファイナルには惰性で参加していたが、正直PTに参加したい気持ちはそこまで無く結局初年度は全て初日落ちという結果に終わった。

また、店舗予選からか。

来年度に向けてマジックと向き合った時に、何故か燃え上がるものを感じた自分に少し驚いた。

最初のパイオニア予選のシーズンはモチベーションはあるものの環境に適応できずエリア予選を抜けれなかったものの、都内だけでなく地方に遠征する等マジックにおいて目標に向かって大会に参加する楽しさを思い出させてくれたシーズンだった。

マジックの楽しさを少し思い出した僕はそのまま次のモダンシーズンへと移行する。ここでは元々大アンチモダンホライゾンの僕だったが、いざモダンを真面目にやるなら避けて通れないだろうと思い、あえてインカネーションをフィーチャーしたデッキを使おうと4c豆の木デッキを1から組んで予選に参加する事にした。

MOというツールが嫌いな事もあり本番が一番練習になると思い片っ端からプレミアム予選に出て少しずつデッキをブラッシュアップしていった。

パイオニアで権利を取れなかった為地域CSファイナルの権利は無いものの、ラストチャンス予選、プレミアム予選、スタンダードオープンと次の権利にステップアップする為の大会が複数併催されるので一応パイオニアシーズンのプレイヤーズコンベンションに参加する事にした。

ラストチャンス予選こそ負けたものの、プレミアム予選でエリア予選の権利を獲得し、そのままスタンダードオープンも準優勝しモダンシーズンの地域CSファイナルの権利を獲得することができた。

モダンを真剣に取り組んで自ら勝ち取った権利はあの時惰性で出ていた大会の権利より何倍も輝いて見えた。(結果なぜかスタンダードで権利を獲得したのだか)

さて、ようやく地域CSファイナルまでは戻ってこれたがこの1年半、基本的に一人で練習していた為本番までどう練習するかを悩む事になった。

元々ポケモンカードをやっていた経験上コミュニティの大事さを知った上でマジックを始めた為、勝つにはコミュニティが必要な事は分かっていた。古くは福岡のマジックコミュニティから始まり、和歌山、東京と住まいに応じて自分に合った競技コミュニティに属することができた事で今の自分があると思っている。特に東京で日本最強チームである武蔵に拾ってもらった事は間違いなく僕の成長に多大な影響を与えた。

ただ、この一年半は僕がモチベーションが無かったので、真剣にやらないやつがコミュニティに属しても迷惑をかけると思い一人でやっていた。コミュニティは同じモチベーションでないと成り立たないと思っているので、自分がコミュニティに相応しいモチベーションになった時、改めてコミュニティを探そうと思っていた。

話は戻るが練習方法は結局仲の良い友人とやる事にした。この間に豆の木が禁止されてしまったので新たなカードを試しながら既存のデッキを含め環境を精査するとこから始めた。

何回か練習してるとその友人がMSDなるディスコードグループにて情報共有し合ってることを教えてくれた。別コミュニティでそれぞれ練習するとややこしい事になるし、良かったら参加させて欲しいと友人に伝え招待してもらう事になった。

そこではMSDの由来でもある増田君を筆頭に、僕より若い世代が非常に高いモチベーションでマジックに取り組んでいた。毎晩遅くまでマジックの練習にディスコード内で明け暮れる中、ああ、俺は生きて無かったんだと感じた。

僕が好きな名作RPGのクロノトリガーにてエイラというキャラが、戦わずにただ逃げて生き延びるだけの選択をする者に『生きてない、ただ死んでないだけ』と一緒に戦おうと鼓舞する言葉をいい放つ。

思い返せばこの1年半、真剣に戦わない理由ばかり探してただただ逃げていただけのように思える。本当は競技が好きなのに、マジックが好きなのに、一度裏切られただけで不貞腐れてしまっていた。

このチームで、勝とう。

MSDのおかげで出れたらいいなって思っていたPTに絶対このコミュニティから出たいと思うようになった。

決意を新たに参加した地域CSファイナル横浜は最終戦バブルマッチに負けて16位と惜しくもPTの権利獲得に至らなかった。(12位までが権利ライン)

だがMSDからは僕と同じデッキタイプを選択した井川君が優勝し、チームとしての結果は残すことができた事が僕には大きな自信に繋げることができた。

個人のパフォーマンスも去年と比べ安定してきている事からも、いかに高いモチベーションで取り組めるかが本当に重要だと改めて認識し始めた。そしてその為にはやはりコミュニティが僕には必要だったのだ。

その後のPTで井川君が優勝しまさに常勝軍団MSDの名を知らしめる中、次は僕の番だ!と更にモチベーションが高まる中スタンダード地域CSファイナル常滑が開催された。

去年は死んでいないだけだった。じゃあ今年は?それの答えを出すべく出た大会。結果は17位でまた惜しくもTOP8がかかった最終戦で敗れてしまったものの、PTの権利を獲得する事ができた。(16位までが権利ラインだが繰り下がりが2名いたので18位まで)
MSDとしては平山君が2位で世界選手権の権利を獲得とチームとしての結果も良かったと思う。

大会の道中コミュニティの皆が意見を言ってくれて改善されたデッキのポイントが光る度にコミュニティの有り難みを感じ続けていた。

メインボードに基本地形を追加しようと言ってくれたせばた君、マナベースを改善してくれたこうのさん、サイドプランを検討してくれた皆。

誰か一人でもいなかったらこの結果には辿り着けなかったと思う。

次はMSDから打ち上がったロケットとしてPTに参加する。数年ぶりの海外、準備期間の短さ、色々不安な要素はあるが、もう逃げない。死んでないだけはもうやめた。

全力でアムステルダム勝ちに行くので、引き続き皆さん応援していただけるとありがたいです。

それではまた次回の記事で。





 


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