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スレイヤー殺人事件

★サタニックキリング 
ホラー映画「ジェニファーズ・ボディ」の元にもなった実話です。メタルバンドの大御所、スレイヤーが話に登場します。スレイヤーはメタリカ、アンスラックス、メガデスに並ぶスラッシュメタル四天王の一つです。アメリカではメタルを聞かない人でもその名を知らない人はいないと思います。驚異的なスピードと殺人、拷問や悪魔などの邪悪な世界観で世界中のメタルファンを魅了し続けています。

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 エリス・パーラーは1980年カリフォルニアに生まれ、女優になる夢を持つ15歳の少女でした。1995年の7月22日の夜、エリスは家族におやすみと告げた後、自室に戻り、ベッドの中にクッションを詰め込みました。ぱっと見で、そこに誰かが寝ているようにベッドを仕込むと、窓からそっと家を抜け出しました。
 友達である14,15,16歳のジェイコブ、ロイス、ジョセフの三人と落ち合い、マリファナを吸うためでした。彼らは合流すると連れ立って、近くのユーカリ林の奥へと進みました。

 そこで突然、ジェイコブは自分のベルトを外し、エリスの背後に回ると、ベルトを首にかけ締め上げました。ロイスとジョセフがナイフで彼女に振り下ろしました。ナイフは合計12回エリスの体を刺しました。少年たちは身をよじるエリスの首を何度も強く踏みつけました。致命傷になった一撃は特定されず、彼女はゆっくりと苦しみながら死に行くことになりました。三人は彼女が息絶えたことを確かめ、動かなくなった体をレイプしました。

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 このジェイコブ、ロイス、ジョセフの三人は「ヘイトレッド」という名前のデスメタルバンドを組んでいました。彼らは、メタルとサタニックリチュアル、つまり悪魔崇拝にはまっていました。特にジョセフはアリスター・クローリーの本を愛読し、他のメンバーに布教していました。三人は特にバンド、スレイヤーを崇拝し以前からサタニストとして墓暴きをしたりしていました。
 
1996年、三人のうちの一人ロイスがサタニストをやめ、クリスチャンになりました。クリスチャンになり、神に受け入れられるために、全てを打ち明けるとして警察に事実を自白したのです。遺体はなんと八か月間もの間、ユーカリ林の中に放置されていました。エリスの遺体は埋められることもなく、ただその場に横たわっていました。三人の少年は八か月の間、数回遺体の元を訪れ死姦を繰り替えしたそうです。

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 裁判で、彼らはスレイヤーの歌詞に基づいて殺人をしたと告白しました。スレイヤーの歌詞の中に、「処女を殺せ」というのがあるので、三人は金髪碧眼の処女であるエリスを殺せば、ギターがうまく、早く、ヘヴィーになると信じたといいます。そして自分たちのバンド、ヘイトレッドが生贄によるサタンの力でメジャーになるとも信じていました。
 
 殺されたエリスの両親はスレイヤーにも責任があると訴え、音楽シーンや表現の自由の観点からも広く話題になりましたが、2001年結果的にスレイヤーに責任はないと裁判官が示しました。『スレイヤーに責任があるというならば、全ての映画、本なども調べなければなくなる』(ペアレンタルアドバイザリーのステッカーも張られていた)

 スレイヤーのドラマー、ポール・ボスタフは「ギターワールドマガジン」のインタビューでこう答えています。

『彼ら(エリスの両親)は全ての責任がスレイヤーにあると言っているが、実際に責任があるのは殺した犯人だ。何か馬鹿なことをやれば、問題になるということは明らかだ。それと、やつらは俺たちが示した死姦の儀式を正しく行っていない。やるなら全部ちゃんとやれ。俺たちを訴えるなら俺たちが言っているやり方をちゃんとやってから言ってほしいもんだ』


 ジェイコブは刑務所の中で、意見を変えました。スレイヤーなどの音楽のせいで殺しをしたわけではない。音楽は全く関係ない。全てはジョセフのサタニズムへの傾倒によるものだった。彼に指示されて、やってしまった。

ちなみにスレイヤーのアルバムDevine Interventionの中の「213」という曲が件の曲だといわれています。CAT
STAY METAL !!! DON'T MURDER !!!
【デスラジオ E54 2020年11月8日配信】

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