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#19 20240809『デジタル遺品を考える/死のオープンソース』(ゲスト:ノンフィクションライター / デジタル遺品を考える会代表​ 古田雄介さん)

2024年4月からスタートしている「渋谷でDeathラジオ」。放送の詳細やオンエアに載せきれなかったこぼれ話などをご紹介していきます。

#19 20240809『デジタル遺品を考える/死のオープンソース』(ゲスト:ノンフィクションライター / デジタル遺品を考える会代表​ 古田雄介さ

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■前半
・今日のゲストは、古田雄介さん!
1977年生まれ。名古屋工業大学卒業後に上京し、建設工事現場監督と葬儀社スタッフを経て、2002年に編集プロダクションに入社。2007年以降はフリーランスのノンフィクションライターとして活動。デジタル遺品を考える会代表。

・Deathフェス2024では、「1分で5年間活用できる!デジタル終活ミニワークショップ」を開催いただきました。

古田雄介さんより自己紹介

・デジタル遺品がどう処理されるのかを調べている。亡くなった人が残していったサイトなどを追いかけて、どんな思いを残していったのかを分析することをやっている。

現場監督から葬儀社、そして編プロ経由で、なぜ「死」をテーマに?

・昔から関心事としてあった。エンタメの中でも、死に関することを考えるのが、心揺れ動かされた。死についてすごい関心が強いことは感じていた。
・数学と物理、美術が得意だったのでなんとなく建築学科に進み、ゼネコンに就職して、これで人生終わるのはいやだと感じた。就職したあとに思春期がきた感じ。
・自分の人生でなにやりたいかを考えたときに、ものをかくこと、死にかかわることだった。
・葬儀社時代、現場で祭壇を設営したり、ご遺体を整えたりというお仕事もされていた。
・編プロ時代は、インターネットが盛り上がっていたので、PCの知識、インターネット上で話題になっているテーマで、ひたすら記事を書いていた。
・個人として、故人サイトについての情報が入ってくることもあり調べていた。
・死というテーマに惹かれるのは、たぶん「怖いから」
・死はものすごく怖いので、考える自分が存在しなくなることが子どもの頃から恐怖だった。あとどれくらいで死ぬのか、あと何年自分でいられるのか、考えるとぞわぞわしてきて、感情を揺さぶられる。ある意味、有意義な時間。
・最終的に自分がどう思うのか、いろいろな登場人物にシチュエーションをあてはめて、シミュレーションしてみるのが飽きない。
・独立後、デジタルのいろいろな知識×死というテーマをかけあわせたら、ごく自然にデジタル遺品になった。
・本職は、調査をして寄稿したり本を書いたり。一方で、自治体や士業の方たちに、デジタル遺品の現状をセミナーや講演することもある。同じ活動をしている方たちと一緒に組織をつくり「デジタル遺品を考える会」としてシンポジウムを開催している。

デジタル遺品とは?

・デジタル遺品の厳格な定義はないが、デジタル状態でしか本質をつかめないもの、その遺品。スマートフォンのハードウエア自体は誰のものであっても同じだが、そのスマホの中にどんなアプリが入っていて、誰とやりとりしていて、写真が残っているのか、というのはその人そのもの。
・サブスク契約なども、ログインしてみないとわからないもの、そういうのも含まれる。
・デジタル遺品は多岐にわたる。その入口はなにかというと、スマートフォンのパスワード。これがあかないと実態がわかりようがない。スマホ開きたいが、開けない。パスワードはわかりようがない。FBIでも開けない。これを備えないといけないということをお話している。
・スマホのスペアキー:名刺大の厚紙に、油性ペンとかでパスワードを書いて、修正テープを2〜3回貼って、スクラッチカードのようにする。
・コインで消すとみられるよという状態で、年金手帳などと一緒に保管しておく。ぜひみなさんにもやってもらいたいと思っている。

■曲
フラワーカンパニーズ「なんとかなりそう」(『俺たちハタチ族』収録)

<選曲理由>
・学生時代からずっと好きで聞いていた。ちょうど学生時代にかったアルバムに入っていた。
・気持ちが沈んだときに聞くと、すごく落ち着く。先々のことを考えて不安になることがあり、とりあえず、この夜いい感じの夜だからなんとかなる、そういう思考にしてくれる。
・最近2冊を執筆したときに、気持ちがものすごく落ち込むことがあった。心をやわらげるために、この曲を聞いていた。

■後半

最近出版されたご著書について

『故人サイト 文庫版』

・亡くなった人のサイトを分類分けしながら、84サイト収録したもの。2015年12月に、103類のサイトとして刊行したが、ここから情報を絞って、現在の情報も追加してまとめなおしたもの。
・日頃から故人サイトをデータベースにしている。その中から、特に厳選して収録した。1000件近いデータベースがある。
・厳選ポイントは、象徴的なもの、亡くなった人が有名かどうかという基準ではなくて、真正面から読み込んだときにすごく衝撃を受けた、あたたかい気持ちになった、感情のゆらぎが多いものを集めて掲載している。
・たくさんの人に読んでもらいたいが、短期間で読むのは控えた方がよいとおすすめしている

『バズる「死にたい」』

・自殺した人が残していったサイトにスポットをあてている。公序良俗によろしくないと言われて抹消されることが多い。本当に公序良俗に反するのか、結果が同じだったとしても、それぞれの人生は別々。なにに思い悩んだり、なにに不安を感じたのか、不満を感じたのか。具体的な声がそこに残っているのに、それを無視して、十把一絡げに公序良俗に反するとするのはどうなのか?という疑問から始まった。
・本では、143件のサイトを取り上げて、一つずつ調べていった。自分なりの答えを導きだしていった。
・公序良俗に反するとされるのはなぜか?ネガティブな感情にひっぱられている、見た人が助長してしまうから?具体的な方法に触れられているケースもあるので危険視されていることもある
・その人もそうだし、時代もそうだし、シチュエーションもある。こういう状況だったら落ち込んでいる状況にならなかったのに、と感じることもある。
・それを読み込めることのありがたさ、共感したり落ち込んだりしながらも、こんな貴重な体験を読ませてもらってありがたいというのがずっと並行している感じ。
・ブログやSNS、媒体によって本音の出方はバラバラだが傾向がある。通しで読むと、その人の本音、時代の流れも見えてくる。公序良俗に反するからすべて抹消というのはよいの?フェアなの?個別に考えようよ、というのを多くの人に読んでもらって考えてもらえるとよい。
・キュレーションがあって安全なかたちで伝わるかたちになるとよいですね。
・そこから、どう感じるか、生きるかのヒントがありそう

■古田さんの東洋経済オンライン連載「死のオープンソース」もおすすめです

お知らせ

古田さん著書2冊のご案内。ぜひお手に取っていただけたら嬉しいです!
『故人サイト 文庫版』https://tetsujinsya.co.jp/5893/


デスフェスからお知らせ

・デスフェスナイト@終活スナックめめんともり
8月20日(火)Deathフェス×落語『怪談噺』企画中!
渋谷のラジオで「渋谷でそろそろ」という番組を担当されている林家はな平師匠をお迎えして、スナックで怪談を楽しむ場を設けました。夏の夜、怪談噺で涼しくなりませんか~

https://www.rakugo-kyokai.jp/members/un8f2s09juiy

ご予約は、終活スナックめめんともりの公式LINE経由でお願いします!
お友達登録していただいて、「1日ママ」のリッチメニュー(ボタン)から確認できますよー。

lin.ee/hXbPeF4

番組へのお便り

こちらの記事をご参考にどうぞ。

https://note.com/deathfes/n/n930fe6d4a36d


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https://note.com/shiburadi/m/m458e51f0078b





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