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【所感】L'Arc~en~Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND @2024/02/08,11 代々木第一体育館

※この記事では、2024年2-4月開催の『L'Arc~en~Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND』の演出やセットリスト等に大いに言及しています。


2年強ぶりのL'Arc~en~Cielのアリーナツアーが始まりました。

自分は幸運にもツアー1会場目の代々木第一体育館公演の初日、および3日目に参加してきました。
ちなみにどちらも定価トレードにてチケットを掴み取れたので、
まだチケットが手元にないひとも今後の公演で参加のチャンスは十分にあると思います。

このあともツアーファイナルまで複数公演参加する予定ですが、強烈なファーストインプレッションは刻みつけておきたくて、
今まさに2/28大阪城ホール公演に向かう新幹線の中で書いています。
新大阪駅までの感想文RTAです。

「UNDERGROUND」なセットリスト

今回のツアーは開催発表時から、
> これまであまりライブで披露してこなかった楽曲を掘り起こし、スポットを当てる貴重な内容になる予定だ
と告知されていました。

実際のセットリストがこちら(差し替えのあった曲は、1日目/3日目表記)

2日目はKilling Meが自由への招待に差し替え

人生においてライブで聴いたことのないL'Arc~en~Cielの曲を1曲でも減らしたいオタクとしては、
後半の「陽」なゾーンでももっとレア曲を聴きたかった。
けれど人生においてライブで聴くことは叶わないんだろうと思っていた曲は、今回のセットリストの中に間違いなくたくさんあって、「UNDERGROUND」の冠に偽りはなかった。

なかでも特に初日1曲目のインパクトは凄まじかった。
今回のグッズでは自動制御ライトとサイリウムバンドという光り物があるが、事前に使用は2曲目以降でという通達があった。
https://larc-en-ciel.com/s/n137/news/detail/13154?ima=3553

これにより1曲目のハードルは爆上がりしたわけだが、
期待でぱんぱんなった暗闇の中、鳴り響いた鍵盤の音。

会場中が絶叫した。

もちろん自分も咆哮した。
声出しができるようになってからの開催で正解だった。これで叫べなかったら拷問だ。
暗闇の中でやるべきであり、詳細は後述するオープニング映像からの流れも完璧であり、十年単位でライブ演奏されていない。
All Deadはその重い意味合いを担う曲として、あまりにも完璧だった。

そして2日目は変わらずAll Deadだったところ、3日目に同じ鍵盤始まりのTHE BLACK ROSEに差し替えたのもすごかった。
All Deadが完璧ゆえ他の曲になるという発想がこれっぽちもなかったため、この日もまた代々木第一体育館が驚きと歓喜の悲鳴で満ちた。

どちらのスタートも鳥肌もので、この衝撃はなるべく多くの人が味わうべきと感じたため、
自分は絶対1曲目に関するネタバレは最終日までするまいと誓った。

後半にいくにつれライブ定番曲が増えていくことは、セットリストの通り。
最後までオタクが絶叫するようなレア曲を聴きたかったけれど、演奏する意味、そしてライブのフィナーレに置く意味を感じる曲たちだった。
それは今回のツアーが、レア曲ライブであると同時に、
コロナ禍以降の声出しが解禁された初めてのライブであるということ。
一観客としては声が出せなくとも十分にライブは楽しんできたが、声出しのできない環境を悔しく思う演者は多く、ラルクもその一組だったのだろう。
コロナ禍最初のライブだった2021年5月の「L'APPY BIRTHDAY」で初披露された「ミライ」。
アウトロは全員で合唱するイメージで作ったとhydeさんは語っていたが、3年弱後の今回やっとそれが現実となった。
30th L'Anniversaryイヤーのライブの全公演で演奏された「ミライ」が、
たくさんの過去曲を披露したライブのクライマックスで演奏されたことで、
ラルクの歴史が新しく紡がれたように感じた。

今 虹がかかり ひとつに繋がる

「ミライ」

大サビの歌詞の通り、ラルクの過去を最新のUNDERGROUNDツアーへと繋げたのが「ミライ」だった。

最後の曲が「MY HEART DRAWS A DREAM」だったのも大サビのシングアロングがあるからに違いないだろう。
ハミングも美しかったけれど、1万人の「夢を描くよ」は力強さがまるで違った。
初日最後のMCで、hydeは「年明けから地震や大変なことがたくさんあって」と、
最近の悲しい出来事を憂う言葉を発していた。
だからこそ最後は明るく希望のある締めにしたかったのだろうと推察に堅くない。

L'Arc~en~Ciel厨二病的世界観永遠にハマりすぎ問題

のぞみ号はただいま岐阜羽島を通過しました。
あと40分でどこまで書けるのか。

今回のツアーはひさしぶりに世界観や物語性を感じる構成で、すごく興奮した。
THEATER OF KISSとかL'Arcasinoとかコンセプチュアルなライブが、ラルクのライブの中でもいっとう好きです。
多彩な楽曲群を持つからこそ、一本筋を通すことでバラバラな曲たちが物語の一部になって、ライブとして纏まりが極めて美しくなると感じている。

公式からはまだ何のアナウンスもないので率直に個人の考えを述べると、
UNDERGROUNDは「再生」「再構築」の物語だと自分は捉えた。

オープニング映像は、雨が降りしきる暗い夜から始まる。
黒羽のカラスが舞い降りた古城の地下室に、頭からローブを被った人影が4つ。
彼らは真っ黒なローブに身を包み、各々違う色の光や炎を掌から発し、魔法陣のように描かれたツアーロゴの上にその光を注いでいく――――

言うまでもなくこの魔術師の4人がラルクなわけだけど、まぁーこういう世界に入れられて違和感のない佇まいすぎる。全員50代中盤の日本人男性なのに????
彼らならこれくらいの魔法使えて然るべきと思ってしまう。
いくつになっても厨二病の精神を宿し続けるオタクには、大いにササル掴みだった。

そして後半の幕間映像では、夜が明け、雨が上がり、太陽の光が差し込む。
すると魔法陣からは若葉が芽吹き、荒廃していた古城に色とりどりの花が咲き乱れる。
黒いカラスは真っ白なハトに変わり、仲間のハト達と青空へ飛び立っていく。ライク・ア・ロート製薬。
この映像のBGMはGOOD LUCK MY WAYのMV音源にのみついているロングイントロ。

というわけでこの曲からライブが再開される。

魔術師のラルクが魔法によって、
荒れ果てた古城を美しい花園へと再生する物語だと、
私はこの映像を解釈した。
レア楽曲を掘り起こし、バンド結成30年以上を経てさらに磨かれた4人の演奏スキルと、センターステージや自動制御ライトといった現代の演出を用いたライブへ混ぜ合わせることで、
懐古だけではない新しい世界を呈示するというのが、
UNDERGROUNDツアーのテーマなのではないだろうか。

さらにL'Arc〜en〜Cielの持つ魅力の多面性が詰まった映像とも思えた。

真っ暗な雨夜と晴れ渡る青空。
黒いカラスと白いハト。

正反対のモチーフだが、どちらも不思議とラルクの楽曲の世界観にはマッチする。
そしてなにより、雨が降って、太陽が差して、虹がかかる。
ストレートすぎて照れくさくも感じるが、「L'Arc〜en〜Ciel」の名が美しくドラマチックに描写されていた。

戻れない過去よりもミライを

3日目最後のMCで、hydeさんは「過去を後悔しても疲れてしまうだけで何も変わらない。今を生きて未来をより良くしていくしかない」というニュアンスのことを口にしていた。
HYDEソロでは頻繁に聞く言葉だが、今回のツアーの文脈で聞くと、
かつて開催された過去のライブを惜しむのではなく、今のライブを全力で楽しむ方が幸せだという意味合いに捉えられた。

今回2曲目のEXISTENCEはアルバムAWAKEの収録曲だが、
リリース当時私は部活や受験勉強に追われる学生で、とてもライブに行ける時間もお金もなかった。
予備校の夏期講習の合間に、AWAKEツアーのやっている代々木第一体育館にグッズだけ見に行った。
あの時抱いていた悔しさが、あの時と同じ会場でEXISTENCEを初めてライブで聞けたことで昇華された感覚がした。
セットリストがここからさらに変わるかまだ予想もつかないけれど、
まだまだこの先の公演にも参加できる幸運を活かして、
最新の最強のL'Arc〜en〜Cielを自分の五感に焼き付けていきたい。


というわけで新大阪駅、を飛び越し大阪城ホールに辿り着いたので、ここで終了!

ツアー2ヶ所目いってきます!

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