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#3右足複雑骨折による3ヶ月入院日記一日目その③

右足骨折の治療のため、一回目の手術がその日に行われることが決まった。
早く処置しないと足が壊死してきて、切断の恐れが出てくるとのこと。
もう「切断」の言葉の響きが怖過ぎて、私は現実を受け入れるのにとにかく必死の状態だった。

一回目の手術は、私の人生で初めて全身麻酔をすることになった。
まずは右足が壊死しないように、折れている骨の位置を戻して血流を良くするための手術をするとのことだった。
全身麻酔が初めてで、どんな感じなんだろう…と考えてもしょうがないけれど、とにかく頭の中はその不安でいっぱいだった。

ベッドに乗った状態でそのまま手術室まで移動した。
手術室の前室では担当する医師と複数の看護師さんが待っていた。
「10秒もしないうちに薬で眠くなるから、手術中は全く痛くないし、心配いらないよ」と看護師さん達が不安そうな私にたくさんフォローをして下さった。
私はマックスの緊張感の中、看護師さん達のそのきめ細やかな対応が本当に身に染みて、すごいなぁ、優しいなぁと感動していた。
緊張で冷たくなっている私の手を看護師さんが温かい手で握って下さったこと、眠くなるまで肩を優しくトントンして下さったことは忘れられない。
本当に不安で押しつぶされそうになっていた私の気持ちを汲んでくれた気がした。
その手術を担当して下さった看護師さん達とは、もうその時以外の場面で出会うことはなかなか無かったのだが、たくさん不安な私をフォローして下さったことに本当に感謝の気持ちでいっぱいだった。

全身麻酔の間は、何時間であろうといろんな方の話では一瞬に感じるということだったが、私の感想ではぐっすり眠れたという感覚だった。
眠れたと感じたのは、全身麻酔中に私が夢を見ていたからだと思う。
麻酔から目が覚める直前に夢を見ていた。

私が骨折した足は右足。
治療していた足が右足だったからか、その右足の治療が感覚的にミシンを踏んでいるような錯覚になっていたのかもしれない。
全然麻酔中に私は右足でミシンを踏んでいるという楽しい夢を見ていたのだ。
私は普段ミシンを踏む仕事をしている。
ミシンを踏んでいる時間が楽しくてしょうがない。
だから、あれだけ始まるまでは不安だったが、全身麻酔中は幸せな時間を過ごしていたのだ。
この後、ニ回目の手術を次の日にすることになるのだが、その時の全身麻酔中も、実はミシンを踏む夢を見ていた。
とても不思議な体験をした。

つづく…


現在は退院して、リハビリに通いながら、日常生活を目指して筋力アップに日々取り組んでいます。
あと一年はかかると言われていますが、趣味だった子ども達との山登りも再開したい!
この日記は、実際に3ヶ月の入院期間中に毎日その日に私が記していた日記を退院後に少し加筆して、まとめたものです。

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