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漣(短歌)

かつて武装していた少年の恢復期 檸檬色の窓枠

砂浜に梯子をかけて降りてくる とくべつ重い藍の未明

波間という波間の裂け目のそれぞれにゆらめく空と淡い惜別

さざなみのガラス玉たちなみあしで沖にゆくもの岸につくもの

潮風にしめった砂をはらってもはらっても繊維に残る追憶

生きるためただしく誤りつづけたい公転も自転もしない流星

凍る夜、凍る指先からめあう降りしきる灰に埋もれようとも

ありふれた夢とがらくた前借りし薔薇の花殻摘んでは捨てる

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