RYTHEM

『きょうだい』について綴っていましたが、少し休憩致します。

一般的に自分が難聴だと言うと、『何も聞こえない人』と思われがちですが、全ての難聴者さんやろう者さんがそうではありません。

顔かたちが皆違うように、聴こえ方も違います。

私で言えば、耳は悪いけれども音楽は好きです。全ての楽器の音や声を判別することは出来ません。今は、CDの音を拾うことも出来ませんが、直接ライブ会場に出掛けて、体にぶつかる音の振動で楽しんでいます。

メロディを奏でる楽器の音は分かりにくいけれど、ドラムが一番私にとって【要】なのです。最近になって、だからこのバンドが好きなのか!と自分なりに気が付く事もありました。

ドラマーも数多に存在しますが、やはりリズムの出し方刻み方はそれぞれ違います。軽く音を出しているようで、芯がある音を突き刺すように鳴らす、低音も体に残るように鳴らす人がいます。あえて名前を出しませんが、好みの問題かな、と考えています。

打楽器も種類がありますが、日本の和太鼓を実際に耳にした方が、テレビ等を通して聴くよりもより分かりやすいです。パーカッションも打楽器ですが、聴こえない音がありました。確かにステージ上では手が動いているから鳴らしているのだろうな、と思うのですが、その音が耳に届いてこなかったのです。

生まれつき聴こえないので、実際に聴こえる人にはどう音楽が届いているのだろう?と想像することもあります。比べても仕方がないことですが。

エンターテイメントの場では、まだまだ聴こえない・聴こえにくい人向けのバリアフリーは行き届いていません。私たちもエンターテイメントを一緒に楽しみたい、楽しむことを受け入れてほしいと願っています。草の根運動ではありませんが、個人的に問合せさせて頂くこともあります。情報保障の方法を考えて下さるなら、一緒にご協力させて頂くこともあります。「情報保障をつけて下さい、聴覚障害を持つ人のための座席を用意して下さい」と投げるだけでは、解決しないと思っています。どんな形でなら情報保障になるのか、聴こえにくいとはどういう状態なのか等、イメージ出来るように説明があった方が実現化されやすいと思っています。

門前払いとまでは言いませんが、相手にされないこともあります。【障害者差別禁止法】があるのは承知していますが、簡単にそれを振りかざすのではなく、まず話をしましょうと場を作っていきたいと考えています。私たちは『敵味方』ではないのですから。

全てのエンターテイメントに情報保障がすぐに付くことは難しいですから、私なりに今の楽しみ方として自分の身体にぶつかる音を、RYTHEMとして音楽を楽しんでいます。

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