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【タガタメ考察】竜と龍、焔の輝き

みなさんお疲れ様です。Tsukinoと申します。
みなさんドラゴン好きですか。

ドラクエ、パズドラ、DOD、モンハン、ポケモン、FF、Skyrim…
登場作品はあげると数えきれないほどですし、ゲームの代名詞といってもいいですよね。

我らがタガタメにもドラゴンと縁の深いカダノバ団長のCCイベントが開催されました。わ〜いおめでとう❤️‍🔥🎉

今回はドラゴンの正体、靴底スタンドアロンと聖石の追憶でどのように描かれているのかに着目した軽い記事です。

聖石の追憶を1章のみ読了している者の考察なので、それを踏まえてのご閲覧をよろしくお願いします。

話長くて就活生には読むの大変なんです…()

⚠ここからの内容はイベントストーリー『十戒衆ディフレーリッヒェ 靴底スタンドアロン』『聖跡の追憶 1章 託された正義』及びキャラクターのネタバレを含みます。


1.ドラゴンの語源

ギリシャ語の"drakon"に由来します。
最初は蛇のいる土地=綺麗な水の湧く土地といういにしえのライフハックから連想される「水」と天に羽ばたける鳥が持つ「聖なる生命の息吹」の2つを表していました。
そこから天空の神々と結び付けられ創造と破壊の両面性を持つようになり、神話だとより顕著に宇宙の神秘・創造・再生はたまた自然災害なんかを司る生き物として描かれるようになります。

それ故にある時は天を切り裂く流星を龍と見なし、またある時は全てを巻き上げる渦を竜巻と称するような超越的な存在として君臨したのです。

2.西洋の竜

西洋のドラゴンの姿は往々にして火や毒を吐く、爪が鋭い、尻尾が尖っている、強靭でがっしりした手足、コウモリに近い形状の翼など全体的に爬虫類ベースです。魔法が使えたり喋れたりするのもいます。

基本的に金銀財宝を守っていたり、道を塞いでいたり、人里を荒らして略奪を繰り返す悪しきものとして登場します。
例えばラドンはへスぺリスの園で黄金の林檎を守っている竜ですし、「ベオウルフ」に登場する竜の住処は王族が財宝を隠した塚であり、盗人に怒って毎晩街を襲います。

上記ツイートのように大地とか火山とかの地属性も結びついており、噴火するが如く怒ると手が付けられない厄介ものという面から西洋では竜は欲深い→強欲な意思は竜へと変化する→邪な権力・権威を表すようになったのです。

カダノバは見た目も相まって明らかに西洋の竜の特徴に合致します。めっちゃ炎キャラだしゴツいし、我が魂の慟哭うおおおぉぉぉぉ!は竜の咆哮そのものですよ。
賢者の石の採掘場にいる仲間を守るため地下へ潜り込んでいくシーン竜の性質の踏襲です。

また靴底スタンドアロンの激アツな幻影神駒一騎打ちは、イギリス南西部の国“ウェールズ”赤い竜が侵略者の白い竜と土地を巡って争いになり勝利するという伝説に由来しています。

↑ウェールズの国旗にもなってる

2つのイベストを通して分かるのはカダノバ本人が大陸という「大地」、正義や誇りという「宝」に”非情になるほど”に固執している西洋竜そのものだという事です。

良いイメージの話がウェールズの話しかなかったように感じますが上層部からみると彼は教会にも炎の火の粉を振り撒く存在であり(作中でも暗殺されかけるくらいには疎まれてたしね…)彼の誇りに裏打ちされた態度は素晴らしいのですが、モチーフがモチーフなだけに運営の思惑…じゃなかった、ひとつひとつの行動言動がめちゃくちゃ裏目に出てしまうというキャラクター造形になっています。

私は好きだよ…腹から声出ててすごい元気いいし…泣きボイスも赤子の夜泣きみたいで…(好きポイント歪んでない?)


3.東洋の龍

対して東洋の龍は体が長い、手足が小っちゃい、髭がある、翼が無くてもなんか飛べる、めっちゃ長生きで、蛇だけでなくワニもベースに入っています。こちらは神通力が使えたりしますね。

慈悲深い、賢い、縁起も良いの3拍子揃った神様としての側面が強い生き物で、霊界と現世を繋ぐありがた~いシンボルであり吉兆や自然・生命のパワーをもたらす存在でした。

↑全体的にみんなこんな感じ


日本では「天・雨雲・河川」そのものであり、「善い行いを続けていれば恵みの雨をもたらす存在だが、怒ると干ばつや水害など未曽有の大災害が起きる」という認識です。
そのため水龍・水神信仰や竜宮城など多くの伝承が存在します。リュウグウノツカイなんかみたら信仰しちゃうよな…


中華圏では天と皇帝の権威の象徴です。
爪の本数によって象徴性も変わり、一番尊いとされる五本爪の龍の意匠は皇帝に関する建造物・衣類などにしか使用できませんでした。
中国で数字のが人気なのも龍が連想されるからです。

このように、東洋では全体的に怒らせなければ非常に良い象徴としての"神様"のイメージが非常に強いです。

この特徴に当てはまるのがネロです。
ウロボロスの系譜だもん神様以外の何者でもないよね…
触らぬ神に祟りなし、塔を登らねば出会いなし的な。

ネロは多大な力を与えると同時に代償も奪っているので破壊と創造のイメージぴったりですし、破壊に耐え切れない慈悲深く優しい心を持つ故に塔の一番上へ上へ…と人から離れていくのです。


4.ドラゴンスレイヤーズたちの正義

(タイトル名先駆者じゃないんだからなんとかならなかったんかい)

東西のドラゴンの話をしてきましたが、やはり認識の大きな違いはキリスト圏か否かです。

竜退治の伝説で有名な聖ゲオルギウスにはこんな話があります。

通りかかった村の付近に毒を振り撒く竜がいることを知り、生贄として王国の姫が差し出されることになってほとほと困っているという話を村人から聞きます。
竜退治を引き受け、果敢に立ち向かい打ち倒したゲオルギウスは姫の身に着けていた帯を借り、首に括り付けて持って帰ります。
そして村人に「キリスト教徒になると約束したらばこの竜を完全に殺しましょう」と言い、改宗させました。

(ゲオルギウスちょいずるくないか)

キリスト教では竜=異教徒のシンボルとされていたことがよく分かる伝承です。
キリスト教の教えでは金融業をあまり良く思っていなかったため、金利業を営むユダヤ教徒に対して厳しく当たっていた背景がある他、龍神信仰の中華圏との貿易が盛んになった事も金銀財宝に目がないという特性と関係しているのです。
毒を吐くのも伝染病の暗喩です。コロナウィルスが流行っているように国外の人間が持ってくる病というのは恐ろしく、宗教的にもうってつけの正当的理由を持った行為でした。

前述したウェールズの伝説ですが、実は異民族「サクソン人」を白竜に喩えたお話しです。

幻影神駒バトルは一見すると「ヴァ―ニルVSカダノバ」なんですが、この伝承を踏まえると「ネロの力VSカダノバの力」「邪教VS国教」「天VS地」みたいな構図も読み取れます。

彼の炎は異教徒への罰であり、地獄の業火でありながらも正義という十字架に縛り付けられている自身への刑罰のみたいな雰囲気もあります。

命を燃やしているんだ!(自己、他者問わず)


5.何のための孤高なのか

しかし火は悪いイメージだけというわけではありません。

上記のツイートはイグナシオの名称の由来解説なのですが、火には周囲に明るさ・暖かさをもたらすという意味合いがあります。
浄化の炎とも言いますし(ザハルには皮肉ですが)、人類の最初の発明=叡智の象徴でもあります。

教会の暗部を察知した後は傷つくものが出ぬよう穏便に探りを入れている聡い面もありましたし、カノンの闘志を燃やし絶えず心を暖め続けたのもまたカダノバ団長です。



この左を向くという構図は時計や2次関数のグラフ(XY、+-のアレ)と同じように過去を表します。省り見る、歴史を振り返る=追憶するという事です。


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↑おまえが青学の柱になれ、みたいな。
お前が聖教騎士団の誇りになれ、みたいな。



最期のカノンとの約束も追憶の動機となり、それを喜ばしく思っているところから過去の追憶に対する愛着や良い印象を持っている事が伺えます。

つまり、カダノバは昔あった出来事や思い出、人の駆け抜けた道をひたすら追憶している人なのです。(その逆を向いてるのが先駆者)

この俯瞰や内省はゼンにも共通するところがあります。
自身一人だけで静かに過去を想い、人を想うというのは2人の共通テーマです。



閑話休題。


彼の炎は仲間を巻き込む恐れがある孤高の能力です。

しかし力しか持たないネロ孤高です。

周囲を照らせるほど面倒見の良くないヴァ―ニルもまた孤高です。

「気づいた時には孤高だった」「仲間の為に孤高となった」彼らには見解の相違が天と地ほどの差があるのも当然です。
この利口さ人としての暖かみの2つのバランスの良さ何より命の灯火を燃やすことの輝かしさを知ることが彼の精神をより屈強なものにしているのです。


6.権力は誰が為に

以上を考察することで、よりはっきり見えてくるのは権力闘争という社会テーマです。
竜と龍どちらにも「権威」はつきものであり、集中している先はバベル聖教会です。
聖教騎士たちもロストブルーの民たちも結局は権力を築く礎、幻影のように儚く散る駒に過ぎないのでしょうか?
人権はないんですか???救いはないんですか???


ないです。
覇権ジャンルが衰退・打倒されてもまた新たな覇権ジャンルが出てくるのと同じです。


全ては循環していくのです。
その循環を少しでも遅くしたいのなら、ありとあらゆるもののバランスをより良く取っていくしかないのです。
そうすればあるいは、光と闇・陰と陽・生と死・創造と破壊のように、相反する性質を併せ持った完全体に変化出来るのかもしれません。
現実の錬金術のように過去の叡智となるのか、完全に管理が出来るようになるのか……今後が楽しみですね!(まとめが下手)


7.古今東西共通としてのドラゴン

最後に余談ですが、東西を問わず存在するドラゴン像があります。
多頭竜や竜人です。

日本神話の「八岐大蛇」、ギリシャ神話の「ヒュドラー」
インド神話の「ナーガ」、中国の「伏犧と女媧」などが該当します。

竜と称される少女達が数多出てくるというのはそういった神性な存在に基づき、一国のみならず世界中を巻き込んでいくというストーリーモデルも隠されているからかもしれませんね。(私が今気づいただけでみんな知ってるかもしれない。)


今回はこれで失礼します。お疲れ様でした🐶
アインツ考察の前日譚(明日上がるわけではない)でした!

魂の慟哭うおおおおおおお!


↓十戒衆のタロット考察もどうぞ


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