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ライター、批評家のimdkmさんによる裏COMPLEXCOMPILEへのコメント

先日、思うところあってレコードプレイヤーを買った。というか、買い直した。レコードならではの音を求めてでもなければ、ブツとしての魅力に惹かれて、というわけでもない。精神論めくけれども、リスナーとしてレコードを扱うときに出てくる「気合い」と、それと裏腹にレコードがかきたてる「遊び」の感覚――たとえば回転数を変える、ピッチコントロールをいじる――がいま自分に必要なんじゃないかと唐突に思ったのだ。
​​「気合い」と「遊び」。あくまでリスナー側の視点から個人的に考えついた言葉だけども、『裏COMPLEX COMPILE』の印象にフィットしてもいるように思う。収録されているリミックスはどれも衝動や信念といった「気合い」が滲んでいるし、一方で型にはめることを避ける「遊び」の感覚にもあふれている。正直困惑するときもあれば、虚をつかれるように聴き入ることもある。
​​しかしなににもまして、そんな内容のリミックス・アルバムをアナログレコードでリリースすること。それ自体が「気合い」の賜物であり、究極の「遊び」だ。以上、ある種のシンパシーとともに、ここに記す。
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