見出し画像

サン・ジョルディの日


スペインのカタルーニャ地方の習慣で4月23日は守護聖人サン・ジョルディを祭る日としている
サン・ジョルディが殉教した命日である
男性は女性に勇気のシンボルとしている赤いバラを贈り、女性は親しい男性に本を贈る習わしがある
カタルーニャ地方には聖人が退治したドラゴンの血が地面に流れ、そこに美しい赤いバラが咲いたという伝承があったそうで、これにちなんで赤いバラを贈る日となり【バラの日】とも呼ばれている
また『ドン・キホーテ』の作者であるスペインのミゲル・セルバンテスの命日でもある為、スペインでは【本の日】として市が毎年開かれバラ、本、サン・ジョルディが一緒に祝われるようになった
丁度バルセロナに訪問していた私は、街に露店として花屋や本屋がちらほら現れるのを認識して祭日を理解した
街には美しく包装された薔薇の花を持った方々で溢れる
スペインの本はB4サイズのものが多く、厚めのページのペーパーバックが殆どで12ユーロくらいのものが多かった
写真集などは日本の3分の2くらいの値段で販売されていた
本屋に雑誌は売っていない
ワンピースや村上春樹はどこにでもあった
小説が好まれているようで、本屋や露店には狂う程に人が溢れていた
いくら本が電子化され読む人は減っても色々な形で本は必要とされ、無くなることはないと思った
それと同時に日本におけるバレンタインデーのチョコレートのように、資本的に祭日を利用している節があり、どれくらいのカタルーニャの方々はサン・ジョルディの日を意味を理解しているのだろうとも思った
日本では日本書店商業組合連合会、日本カタルーニャ友好親善協会などが1986年から【本の日】として実施している
後にスペインからの提案に基づき国際連合教育科学文化機関が「世界図書・著作権デー(世界本の日)」に認定している
朝から粋な夜電波のアーカイブを聴きながら、水族館前のゆったりした仕切りの全くないベンチでこれを書いている

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?