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葉山の思い出

葉山に約10年振りに行って来た
前回の訪問の際は、友人に海の家でパーティーがあるからとお誘い頂いてだった
当時の私はマッシュルームカットが伸びたボブで髪色が茶色く、XLサイズのタイダイ染のTシャツという出立ちだった
逗子の海の家の中にブースとフロアが設定してあり、ケンイシイさんやKAWASAKIさんのテクノが爆音であふれた
財布を落としたオネエの方と一緒に財布を探して見つけ出し、仲良くなったりもした
当時の私はロック少年でたまに三宿のwebにロケットマンを見に行くくらいだったのであたふたしていたが、泡盛を補充してからエンジンがかかった
そして、からから空回った
海の家のゴミ置き場にダイブし、何かにキレていた
一緒にいった友人にこっぴどく怒られた
このような汚らしい思い出しか、葉山には無い

そんなことがあってから幾星霜、私も丸くなり最近は本当に静かに暮らしている
江ノ電やバスで海を眺め、神奈川県立美術館に行き着いた
ここは私の好きな作家さんがライブペイントをしているのを見て感動した、と教えてくれたところだ
展示してある作品に【揺蕩う危うさ】【硬さと柔らかさの同居】【キャッチーな汚らしさ】【悲しい現在性】を感じた
奥の空間で、広い白い壁にライブペイントをしていた
していると思っていなかった
作者は見られているのを意識してパフォーマンスをしているわけではなかったが見られている意識を感じられており、その状況下で鑑賞者がライブペイントを無音で鑑賞している
6名ほどの鑑賞者は、うっとりと白と青の空間の中で鑑賞する
ライブペイントについての内容は私が語れるほど理解度がないので控えるが、贅沢な時間だった
少なくともその時、製作者と鑑賞者は無音の世界にしっとりと没入していた
クラブで爆音にダイブする時快感な訳であるが、無音にダイブするのも本当に気持ちいい
CRCK/LCKSの窓を10回くらい聞いた
わざわざ無理して行くのってば、贅沢極まる


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