いまさらわかる新世紀エヴァンゲリオン②キャラクター紹介

 エヴァの主要キャラについて。なお、今回は思いっきりネタバレ前提のため、本編+劇場版視聴済みというていで進める。まだの人は、とりあえずネットフリックスに入って無料期間の間にエヴァだけ見るのがお勧め。

①碇シンジ
 主人公……のように見えるけど、実質的には生贄。エヴァの本編は、とにかくシンジくんの自由意志を無視して進んでいき、そのくせ最後には世界をどうするかの決定権を投げて寄越すのである。あまりにもひどい。
 24話+劇場版の間じゅう、ずっとシンジくんいじめを見せられる、と言ってもほぼ過言ではない。ちょっとはいいこともあるけれど。
 ゲンドウからのネグレクトを受けて育ったせいか、自己肯定感が地を這っている。自分が嫌い選手権一等賞。おかげで「父親に褒めて貰える」という超ローコストの餌で使徒を倒すスーパーパイロットでもある。
 本編中では目立たないが、エヴァの操縦技術は天才レベルと言って差し支えないと思う。少なくとも三人分の家事をこなすスーパー中学生。ただ自己肯定感が低い。

②綾波レイ
 無口青髪赤目の美少女。少なくともみんな名前だけは知っている、ヒロインのような何か。「綾波系ヒロイン」みたいな儚げな存在を山のように後世に生み出したが、よくよく見ると当人はだいぶ図太い。お前のような人形がいるか。
 その正体は、シンジの母親とリリス(地母神のようなもの。生命始原の存在)をチャンポンにしたボディにリリスの魂を入れたスーパー存在。どれくらいスーパーかというと、彼女に裏切られただけでゲンドウの計画が一瞬で詰む。だめじゃん
 スペアボディで何度も復活できるが、記憶を継承してるのかどうかはイマイチよくわからない。ヒロインかどうかはわからないが、少なくとも物語上のキーパーソンであることは間違いない。
 なお、彼女のストーリーは基本的に「ヤシマ作戦」まででほぼ消化しきっていると言っても過言ではない。

③惣流・アスカ・ラングレー
 ストーリーのレイ編が終わったの追加投入されたヒロインのような何かその2。基本的にアスカの目の青いうちは楽しいエヴァンゲリオンが続く。
 後半になると段々ズタボロになっていき、一瞬だけ復活するがやっぱりズタボロになる。基本的にはエヴァに拘っているのが詰む原因だが、本人がエヴァに乗ることを生きがいにしているというデッドロック。
 当時はツンデレという概念もなく、その内面はわりと複雑怪奇であるため、新劇場版ではアスカの欠点をあらゆる意味で改修したアスカVer.2とも言うべき式波・アスカ・ラングレーが登場する。但し、あらゆる欠点を改修した結果ヒロイン力もバーターで下がった。

④渚カヲル
 24話で急に出てきて急に退場した人(しと)。かと思ったら劇場版で出てくる。パチスロだとめっちゃ出てくる。
 その正体は、自由意志を司る使徒タブリスにして、人の身体にもう一つの生命始原の存在、アダムの魂を宿した最後の使徒。
 「もう最後だから」とリリンの言葉で色々な真相を頑張って解説してくれるが、要点しか喋っていないので視聴者には通じないしシンジくんにも通じない。
 結果、シンジくんの心にトドメの一撃を刺して去っていった。

⑤葛城ミサト
 頼れるお姉さん的存在に見せかけた蛮族使徒スレイヤー。物語の狂言回し的な存在であり、エヴァの2割くらいの部分はミサトさんが立てた愉快な作戦で出来ている。そもそも彼女がシンジくんを引き取ったせいで、エヴァの話がこんなに拗れたという見方もある。
 理由は後々書くが、彼女の言うことは結構な割合で間違っているので、発言は眉に唾を付けて聞いた方がいい。最近のTwitterではロビンマスク扱いされている。

⑥碇ゲンドウ
 だいたいこいつのせい。クソ野郎だということは皆さんご存知だと思うが、注意深く見ると想像の二兆倍くらいアレであることがわかる。
 そんな父親でもシンジくんは「頑張れば褒めてくれるかも」「わかり合えるかも」と希望を持ってアタックし続け、ことごとく打ちのめされる。エヴァは基本的にそういう話である。
 ゼーレという世界を支配する秘密結社に取り入り、成りあがったサクセスストーリーの主にして、魔性の男。しかし、本人が自分の過去を語らないためエヴァの本編では回想シーンが連打されることとなる。が、それでもゲンドウが何を考えているかはよくわからない。
 新劇場版では父親としての役割に唐突に目覚め、独特な大人観をシンジに教えたりする。

⑦赤木リツコ、冬月コウゾウ
 ゲンドウの魔性に惑わされた被害者。
 ……なのだが、冬月についてはゲンドウ云々より前に碇ユイの信奉者なので、ある事実を隠匿していた疑惑がある。詳しくはユイの項目で後述。

⑧ゼーレ
 世界を背後から操る秘密結社。だいたいこいつのせい……なのだが、同時にゲンドウに騙された被害者でもある。しかし、後々の記事で取り上げる予定だがヤバいやらかしをしていた疑惑があるので、同情の余地は皆無。
 一見それっぽいことを言っているが、実は死ぬほど行き当たりばったり。ライブ感で生きている。失敗したときはちゃんと「失敗した」と認めて欲しい。

⑨加持リョウジ
 エヴァの数少ない常識人……と扱われがちだが、実は旧劇場版では彼のアルバイトの成果があちこちで火を噴いている。エヴァにまともな大人なんていなかったんや。
 恐らく世界屈指のコミュニケーション能力を持つが、それを真実を探求するために使う真実探求マン。彼の遺言はおそらく彼の意に反し、ミサトを更なる修羅の道へと進ませることになる。
 どうでもいい話だが、彼の育てるスイカ畑は新劇場版で滅茶苦茶バージョンアップした。

⑩碇ユイ
 故人。だいたいこいつのせい2。いろいろ度し難い性格のゲンドウと結婚したが、そのパーソナリティを「かわいい人」と受け流し、特に矯正することなく世に放ったせいで世間様が多大な迷惑を被った。主にシンジが。
 実験によってエヴァ初号機の中に溶け、最終的には人類の生きた証を残すために宇宙に旅立つ。と書くと聞こえはいいが、多分この件をゲンドウには伝えていない。正確には、冬月には伝えたけど冬月からゲンドウに伝わってない。コミュニケーションは大事である。
 彼女と出会って以降、ゲンドウは様々な暗躍をしていた。最終的にはユイの消失を以って人類補完計画とそれを利用したユイとの再会をもくろむことになるが、果たしてそれ以前は何を企んでいたのだろうか……。


 長くなったので、今回はここまで。第一話は次回に。

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