孤独⑤
泣くのって疲れるよね…
毎日泣いていたとき、まるで筋トレかと思うくらい体力を消耗した。
でもそのお陰で、泣いたあとは眠ることができた。
起きたときの顔はパンパンだったけど。
気を遣ってか誰も倉庫には来なかったので、しばらくそこにいた。
もう疲れた…
ため息と一緒に出てきた言葉。
感情を感じることが、こんなに疲れるなんて。
悲しみを、ひとりを、絶望や怒りを、もう感じたくない。
もうなんの感情も感じなくなりたい。
記憶喪失になれたらいいのに。
でも人間の体は、そんなに都合よくはできていない。
なにか見つけなくちゃ。
夢中になれるもの。
集中できるもの。
なにかないかな…
会社だけじゃだめだ。
仕事が溢れるほどあるわけじゃないし、周りの気遣いが痛々しい自分を思い出させる。
もっと。
もっともっと、気づいたらすごい時間たってた!みたいなやつ。
ただ毎日生きるエネルギーが有り余っているのにうんざりだ。
命なんてもういらないのに。
瀕死の重体で構わないのに。
皮肉なことに風邪もひかないし、ごはんを食べなくても倒れることもない。
健康すぎる自分を呪った。