もしも

「別れてほしい。」

僕が中学2年生の頃から、多くのすれ違いを経た末に付き合えた、何処にいてもマドンナになれる、いや、僕の一生のマドンナ。そんな女の子との半年間が終わった。


中学2年生、彼女と出会った。
彼女は今でいう乃木坂46のメンバーに1番近いと言われる顔の持ち主であり、天然で大人しめな性格で、中学の男子をトリコにしていた。それは他クラスにいても同じであり、あの子可愛いぞと休み時間に盛り上がるくらいだ。僕も例に漏れず、仲良くなれるとドキドキしていた。

しかし現実はそう簡単ではない。あまり関わることもなく2週間が経過した頃、席替えが行われた。一世一代の大イベント。ほとんどの男子が彼女の隣の席、あわよくば同じグループを願っていた。出席番号が1番の男子、女子と順に引いていき、遂に僕の番になった。よし、まだ彼女の隣は空いているぞ。

どき、どき、どき


震える手を必死に押さえながら箱に手を突っ込んだ。さながらもののけ姫のアシタカのようだ。いや、箱の中身はなんだろなをやっているようと言ったほうがいいのかもしれない。

満を辞して一枚の紙を掴みとった。 

結果は、

なんと彼女のなな目後ろの席だった。
複雑な思いを抱きながら席につく。斜め後ろから彼女の顔を毎日見つめることができる。これはこれでシメシメと思いながら自分の幸運を噛み締めていた。
幸いにも僕の前の席には仲の良い男子が座り、グループも彼女と一緒なため、これから仲良くなったるぞ。と意気込む。


これが彼女と仲良くなる、最初の大きな大きな一歩だった。

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