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オペレーターインタビューVol.3:山元 くるみ

コロナ禍でグローバル・ローカル企業共に多くの配信を請け負ってきたKST EVENTS。元々需要の少なかった配信を行うにあたり、多くのオペレーターが初めての事を経験しながら成長してきた。数々の現場を乗り越え成長してきたオペレーターの仕事に触れるインタビュー。

◆オペレーター紹介◆
山元 くるみ
大分県出身。2021年よりKST EVENTSに所属。オンライン現場では、ネットワークエンジニアとしてネットワーク構築を主に担っている。今回は山元さんにインタビューを伺いたいと思います。

始まりと配信におけるネットワークエンジニア

ーー現在の業務内容を教えてください。

ネットワークエンジニアっていう部類ですかね。配信とかの土台を作っています。

ーーネットワーク業務を始めたきっかけはなんですか?

高校が工業高校でその時にプログラミング系をやっていたんですが、高3の時に後輩が学校のパソコンのメールからウィルス感染したみたいな事件があったんですね。

それで先生たちがサーバーからどうにかしなきゃいけないかもっという話をしていて。ずっとプログラミングばかりやっていたのでサーバーで何をするんだろうって興味を持ったところからネットワークに移りましたね。

ーーそれまでのプログラミングとネットワークでは業務内容は全然違いますか?

全く違いますね。概念が違う。プログラミングって、例えばRPGを作りたいとか普通にアプリ開発とか。

こういうアプリケーション作りたいからどうするかっという感じですけど、現場でのネットワークってパソコンとかをただただ繋げる。それだけじゃないですかね。考え方が違うと思います。

ーーイベント配信ならではの通常ネットワーク業務との相違点ってありますか?

多分普通のエンジニアでしたら安定化を求めるんですよ。一生ってわけではないにしろ、安定してできるように土台を、ネットワークを。

でもイベント配信現場においてのネットワーク構築って基本1発勝負なんですね。毎回会場も違うし内容も違う。1回組んだら終わりなので、組んで壊して組んで壊しての繰り返しですね。

コロナに直面した就職活動

ーーKSTで働こうと思ったきっかけはなんですか?

たまたま求人を見かけたからなんですよ。IT系は大分や宮崎、九州で探すより東京で探したほうがいいかなと思い、上京した時に偶然見つけました。

ーー偶然見つけたんですね。それまでは学生ですか?

そうですね、大学生でした。普通に学校に行って、大学2年くらいの時からいろんな企業のインターンシップに行って普通に就職する気満々でした。

ーーその時からプログラミングとかサーバー系を探してたんですか?

そうです。インターンも就活も絞ってましたね。ただちょうど大学3年くらいの時にコロナが流行りだしたんですよ。

ーーコロナに直面して就職活動はどうでしたか?

大学4年生になって就活真っ只中でもコロナで、それまで当時はオリンピックがあるから絶対に4月5月には内定決まるみたいなスピード感だったんですけど、もう何もなく、、、って感じですね。

1社だけ志望していたところがあったんですけど最終面接で落ちて。その頃にはずっと家にいたんで毎日同じ時間に出社しても無理だなって思って気持ち萎えていて、面接でもちょっとそこ突っ込まれて。

それこそ、教授に就職しないまま卒業していいですかねって相談して、いいんじゃないって思って就活やめようみたいな。卒研がんばろみたいな。それでさっぱりやめて、KST見つけてって感じですね。

こだわりはない。ただネットワーク構築として当たり前のことをするだけ。

ーー業務で意識しているところはなんですか。

こだわりとかではない気がするんですが、ネットワークの負荷分散は意識して考えてますね。ただこれはこだわりというよりネットワーク構築では最低限なことのような気はしますが。

例えば、メインの配信にのみネットワークを1本全て繋げると、そこが落ちたら終わってしまいます。なのでメインでも2回線あったらそれぞれメイン、サブに分配して片方落ちても片方生きるように組んでいます。

ーー回線速度によってネットワークの構築って変わってきますか?

めちゃくちゃ変わりますね。上り下り100Mbpsずつ(回線速度のアップロード、ダウンロード)しか出ないのにZoomPC 6台とメイン配信、サブ配信は難しいじゃんみたいな。

そうなってくると持ち出しのポケットWi-Fiに頑張ってもらえるところは頑張ってもらって、基本的にはメイン配信とサブ配信が有線LANを繋ぐ。それで視聴用とかもポケットWi-Fiで分散してますね。

とりあえず配信は有線で繋ぎたいから、あとはZoomもZoom MeetingかZoom Roomsかで変わってきますね。

ーー負荷分散や同一ネットワークで組むなど、構築にあたりどんな検証をされましたか。

1つのルーターに2つのPCでvMixを繋げてNDIの送受信を行ったりはしましたね。簡単にいうと同一ネットワーク下のPC同士で映像を送受信するんですけどvMixで映像を合成するのに、そのPC自体の受け入れられるインプット数も限られてて、そうなってくるとソースを入れるためにNDIを使用しようという検証ですね。

ーーNDIで飛ばしてソースを送るメリットはなにかあるんですか。

NDIは背景を透過したままデータを送ることができるのが特徴なんですよ。今までだとスライドとかテロップとかのデータをvMixに入れて、合成となるとクロマキーでvMix上で抜かなきゃいけないんですが、NDIで飛ばして送ればその工程がなく透過したまま送ることができます。

今では日常ですら不可欠なネットワーク。ネットワークに携わり感じたこと。

ーーこれまでたくさんの現場でネット環境を築いてこられましたがそもそもネットワークって通ってて当たり前みたいな認識があるじゃないですか。そのなかでプレッシャーみたいなのってありますか。

プレッシャー、、、、特にはないですね。みんなが現場で必死に機材を組んだり画作りしているなかで私はせっせとネット環境を整えてるだけなので。

ーーネットワークがあって当たり前のように思われているからこそ繋がっても対価があるわけでもないイメージが強いですよね。

そうですね。例えばどこだってPCを立ち上げたらネットワークって繋がってるじゃないですか。それはよく見えないわからないところで頑張ってる人がいるだけなんで。特になにも。

ーーまさに縁の下の力持ちような存在ですね。KSTでネットワーク業務に触れて感じたことはありますか?

本当はサーバー系がやりたくて初めはネットワーク系はやりたくなかったんですよね。笑 理解はあったけどどこにどう繋げばいいのかわからなさすぎるというか、初めて触る機械怖いみたいな感じはありました。

でもこの短期間で何度も構築し直すことが多かったので、ネットワークに関して多くの気づきがあり今はだいぶ慣れてきました。そんな専門的にやっていたわけではないので基礎の知識しかなかったですが、それでもやらざるを得ない状況が多くなってきて、サーバーとプログラミングとネットワークって仲良し3点セットみたいなところがあるから1つでも苦手がなくなったからいいかなって今は思えてきましたね。


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元々はプログラミングを学びサーバー関係の仕事を求めていた山元さん。
苦手意識はありつつも実際に手に触れ短期間で何度も組み直し慣れてきたネットワーク構築

コロナ禍で移りゆく情勢の中、成長を続けるオペレーターに焦点を当てて綴った今回のインタビュー。次回も新たなオペレーターに触れていきますので、どうぞお楽しみに


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