魅惑の銀帯

2019年1月より、8000系営業運転開始30周年を迎えたことを機に、デビュー当時の姿に復元し、各線1編成ずつ運転を開始したクラッシック8000装飾の8000系。以前から興味はあったものの、なかなか撮影機会に恵まれず、気がつけば京都線、宝塚線のクラッシック8000装飾車はリニューアル工事の為、正雀工場に入場してしまい、残すは神戸線の8002Fのみとなっていた。
今年こそは撮影するぞと意気込み、年明けから毎日天気予報と睨めっこを続け、ようやく都合の良い日と快晴が重なる日を見つけることができた。既に3月に突入していたものの、まだ朝は冷え込みがキツく、超望遠アングルでも高いコントラストが得られるだろうと考え、正面ドカンで捉えることにした。
翌朝、8002Fがどの運用か、そもそも動いているのかも分からないため、早めに現着し、信号機や障害物検知機をかわしながら慎重に機材を構える。数分後、キリイチの影が抜けはじめたのを確認すると同時にすばやく置きピンを済ませ、先行の列車でピントとアングルの最終確認を行い、その時を待つ。
そして待つこと数十分、全開光線の下、煌々と輝く銀帯がファインダーの隅に現れた。やがてアプローチを下ってきた8002Fがファインダー一杯にやって来たところで高速連写。背面液晶に映し出された写真に満足すると同時に、ようやく撮影することができた達成感と安堵感に包まれた。

阪急神戸線


リニューアル工事を終えた一部8000系も、各線で1編成ずつメモリアル8000として運転され、引き続きHマークを掲げて走っており、他の8000系とはまた違った良さがあるが、面が強調される面縦写真において、原型に近い姿に勝るものはない。
前回検査から5年が経過した8002F、塗装の薄さも相まって心配になるが、少しでも長く銀帯と原型クーラーの組み合わせが見れることを願ってやまない。

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