優しさが溢れている漫画/0930 すぎお

高校生の頃、「ハチミツとクローバー」という漫画に出会った。
美術大学を舞台にした漫画で、私は勝手に「人生の教科書」と呼ばせてもらっている。
恋愛に悩んだり、才能のある人と比べて自分は何も持っていないんじゃないかと悩んだり、登場人物たちは何かに悩み、迷い、もがきながら生きている。
悩んでいるからと言って暗い描き方ではなく、もがく姿が美しくて切なくて「青春っていいよね」と、何度も思った。

この漫画の好きな所は沢山あるが、「常に誰かが誰かのことを気にかけているところ」が特に好きだ。
近い仲だけではなく、「一度会っただけ」とか「一度も会ったことはないけれど話は聞いていた」とか、そういう関係の人のことも、登場人物それぞれが、考えたり、心配したりしている。

それは、作者である羽海野チカさんが、登場人物ひとりひとりのことを大切に想っているからじゃないかと思う。

この漫画には、優しさが溢れている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?