アートとの出会い/11.8 カワカミナツキ

いまでこそ美術館もギャラリーも大好きで足繁く通い、ことあるごとに課金してまわっているが、そんな私も幼い頃は芸術は難解で、美術館は静かにしないといけない、つまらん場所やと思っていた。

転機がきたのは、13歳のとき。ニューヨークに旅行に行ったときに訪れたニューミュージアムでPaweł AlthamerのThe Neighborsという作品に出会って、芸術が身近であること、楽しいものだと気づく、原体験をした。それは、鑑賞者が筆とペンキを持って、部屋の壁や床に自由にペイントするという作品で、完成はなくって部屋一帯がシームレスにペイントされて。わたしもまた、作品を作るアーティストで、作品の一部だった。(↓私が行ったときはもっとペイントされていた、たぶん)

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なんだ、こんなのでいいんだ、私が描いたこんな下手くそな絵でもいいんや、って気づいたら、そしたらもう芸術が隣りに来ていた。この出会いがなかったら、私はいまも芸術を敬遠していたかもしれないし、いま建築家を目指してもいなかったかもしれない。とにかく、私にとってはそれほど重要な出会いだった。

稲妻がはしったとかじゃなくて、こう、じんわりゆっくり、アートっていいなっていう風がふわりと心に吹いたというか。なんかそんな感覚がしたような気がする。 あの風をずっと心のなかに吹かせられたらなと思いつつ日々をすごしている。


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